納期を守ることは社会人の責務であると言えます。
とは言え、よほどの単純作業でもない限り仕事に何かしらの問題はつきものです。
大きな問題が発生し、それが原因でスケジュールの遅れを招いてしまうこともあるでしょう。
その問題の解決に努めるのは当然のこととして、場合によってはスケジュールが遅れたことへの挽回策を上司やPM(プロジェクトマネージャー)から求められることもあるかもしれません。
そのような場合における対処法について考えてみたいと思います。
スケジュールの遅れに対して挽回策を問われた場合の対処法
スケジュールの遅れに対して、その挽回策を問われた場合の対処法(回答)としては次のようなものが考えられます。
残業でカバーする
最も手っ取り早いのがこの方法です。
遅れた時間分の残業をしてその遅れを取り戻す、きわめて単純明快な回答であると言えます。
もしもあなたの会社が残業をすることに対して寛容的であるならば、この提案が認められる可能性は高いでしょう。
もしかしたら、上司がこのようなことを聞いてくるのは上記のような回答を望んでいるからかもしれません。
一方で、このように日程の遅れを残業でカバーするという風潮が浸透してしまうことにより従業員への残業の強要を招く恐れもあります。
これは、最近の働き方改革などの流れに反するものです。
工数応援を求める
自分の負担を極力増やしたくないのであればこの方法を取りましょう。
1人で行うと2日かかる仕事の場合、2人で取り掛かれば1日で終わらせることができる可能性があります。
人員の数で日程の遅れをカバーするという考えです。
また、自身が抱えているほかの案件の業務量を減らしてもらうという方法もあります。
タスクの優先順位を決めて、優先度の高いタスクに優先的にリソースを割いて迅速に処理していきます。
いずれにしても、人員の数または配置を調整するといった作業が必要となり、これは担当者というよりもマネージャーの仕事でしょう。
マネージャーに現在の状況や遅延工数を説明し、指示を仰ぎましょう。
管理側の責任を問うという選択肢もある
一方で、管理側の責任を問うという選択肢も決してなくはありません。
あなたが会社の理不尽な精神論に立ち向かいたいというのであれば、この方法を選ぶという選択肢もあります。
(その場合の今後のあなたのキャリアに関しては保証しかねます。)
仕事がスケジュール通りに進まない理由には、2つの理由が考えられます。
ひとつが、仕事の量・難易度に対する工数設定は適切だが、その工数設定に対して担当者の力量が不足しているという場合です。
たとえば、周りの同世代の社員が2~3時間でこなすことができる仕事にある社員は5~6時間はかかってしまうということであれば、それはその社員の力量が不足していると言わざるを得ません。
日本の会社というのはそのような力量が劣っている従業員に対しては甘い環境と言え、外資系の企業のように即クビを切ることはありません。
その分、そういった社員に対し残業という形で多少の身を削ってでも自身の力量不足を補うことを要求すること自体はまだ理解はできます。
しかしながら、与えられた立場にふさわしい能力を有している社員であってもスケジュール通りに仕事をこなすことができないのであれば、それは仕事の工数管理のほうに問題がある可能性が高いのです。
それが仕事がスケジュール通りに進まないもうひとつの理由であり、無茶な課題を設定したマネージャークラスの責任と言えるでしょう。
「残念ながらあなた方の高い期待には応えられなかった。とは言え、立場に見合った仕事はしている。」
あなたにはそう主張する権利があるはずです。
会社に必要とされているのは会社の無理難題に応えられる人材
結局のところ、会社が必要としているのは会社の無理難題に応えられる人材だと思うのです。
きわめて高い知識や技術を有する人であれば、合理的かつスマートにそうした無理難題に対処できるのでしょう。
ですが、ごく一部の人たちを除けば、多くの人たちはそこまでの能力というのは持ち合わせていないはずです。
また、会社の評価とは相対評価ですから、仮に優秀でありながら残業もバリバリこなす社員がいたとすれば、その社員の働き方が基準となってしまいます。
それにより、ほかの社員もその働き方に倣うしかなくなってしまうのです。
会社においては、決して合理的とは言えない会社の上下関係や無理難題、感情論にも応えられる融通の利きやすさや気持ちの強さを持ち合わせていることが何よりも重視されるのです。
ですから、合理的な回答が求められているのか、それとも精神論が問われているのかをしっかりと見定めることができなければなりません。
そして、実際には理屈は抜きにして精神論が求められている場面はとても多いのです。
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