日本における生涯未婚率の値は年々上昇しつつあります。
独身者の生涯未婚率は男性23.4%、女性14.1%ということで、今や男性の4人に1人は結婚しない人生を送る時代です。(国立社会保障・人口問題研究所の2020年版「50歳時の未婚割合」調べ)
こうした未婚率の上昇は社会全体でみても大きな問題ですが、企業にとってもこれは悩ましい問題であると言えます。
社員が結婚しないことは会社からすれば決して望ましいこととは言えません。
それどころか、独身社員は会社にとって不都合な存在であると言ってしまっても過言ではないかもしれません。
今回は、その理由についてお話しさせていただきます。
独身社員が会社にとって不都合な存在である理由
独身社員が会社にとって不都合な存在である理由は言うまでもありません。
その理由は、独身社員は会社への依存度が低いからです。
結婚して家庭を持った既婚の社員は、自分のためではなく家族のために働くようになります。
家族のために自分の身を犠牲にして、少々理不尽なくらいのことなら耐えてくれる既婚社員は、会社からすれば非常に都合が良い存在と言えるのです。
優秀な既婚社員に支えられている日本企業
会社の中には、会社に貢献をもたらしてくれている社員もいれば、たいして貢献をしていない社員もいます。
こうした人材間の差に対して、海外では優秀な人材にはそれに見合った相応の対価が支払われるのが一般的です。
しかしながら、日本の多くの会社では優秀な社員もそうでない社員も給料に差はほとんどつきません。
日本企業の給与水準が欧米企業や外資系企業に比べて低いのは間違いなくこれが一因であり、要は、本来優秀な社員に支払われるべき対価がそうでない社員に回されているからなのです。
日本の会社は優秀な社員ほど損をする場所と言えるのです。
こうした優秀な社員たちが、その実力や実績からすればある意味不遇とも言える扱いを受けながらも働き続けてくれる理由、それはその社員が既婚者であるとすれば家庭を持っているからというのが理由として大きいのではないでしょうか。
転職をするにしても、既婚者であれば自分ひとりで決断できるものではなく、家族の同意も必要になってきます。
また、既婚者は持ち家を抱えている場合も多く、持ち家の存在は転職の足かせにもなりえます。
結局、今の会社でその実力や実績からすれば不遇な扱いを受けていたとしても、特に私生活で支障なく過ごすことができているとすれば、それで十分だと考える人も多いのでしょう。
ある意味、日本の会社はこうした優秀な既婚社員を割安かつ都合よく使うことができているので経営が成り立っているという部分も少なからずあると思います。
無能な独身社員が会社を衰退させる
一方で、独身社員にはこうしたしがらみは少ないです。
既婚者であればそうしたしがらみによって転職を思いとどまってくれるかもしれません。
しかしながら、独身者であればそこで思いとどまることなく転職してしまうということは十分考えられます。
社内の独身者が増えれば増えるほど、その可能性は高まります。
そうして会社から志の高い優秀な独身社員が抜けて無能な独身社員だけが会社に居座り続けるのであれば、それはもはや会社からすれば悪夢と言えます。
背負うべきものがなく、会社に悪い意味で依存し続ける無能な独身社員がいつか会社を衰退させることになるかもしれません。
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