仕事を任せると一口に言っても、そのやり方は人それぞれです。
単に仕事を丸投げするだけの人もいれば、相手の成長を真摯に願って仕事を任せる人もいることでしょう。
また、正しいやり方で仕事を任せることは、仕事を任される人だけでなくそれを任せる本人の成長にもつながるはずです。
他人にしっかりとした形で仕事を任せるためは、自分で行うとき以上に深くその仕事を捉えることが必要になるからです。
仕事を任せることは自分自身の成長にもつながる
他人に仕事を任せることは、その仕事を任せた人自身の成長にもつながるはずです。
仕事というのは案外、自分で行うよりも他人に行ってもらうほうが難しかったり、あるいは面倒だったりするものです。
仕事の意義や中身をあまり深く捉えずにただ漠然と行っていたり、自分自身の感覚に頼って作業しているケースは意外に多いのです。
そのような状況で仕事を任せようと思っても、相手に仕事内容をうまく説明できなかったり、その仕事に求められている要求を具体的に示せなかったりします。
相手に自分が意図した通りの仕事を行ってもらうためには、自分自身がその仕事内容を正確かつ客観的に理解していなければなりません。
ですから、相手に仕事を任せることは自分自身がその仕事の内容を俯瞰して捉えることにつながり、それは自分自身の成長につながるものだと言えるのです。
「何をすればいいのですか?」
私は間接部門で働いていますが、間接部門では自部門以外の部門の人たちに仕事をお願いする機会が多くあります。
また、私は正社員として働いていますが、以前には派遣社員の方に仕事をサポートしてもらうこともよくありました。
そのようにして働く中で、私は仕事を別の人に任せる、またはお願いすることの意義と難しさを学んできました。
少し前の話になりますが、派遣社員の方に仕事をお願いしたときに以下のような問いかけを投げられたことがありました。
「逆にどこを測ればいいのですか?」
この発言の経緯としては、私がその派遣社員の方にある測定を依頼したのですが、私がその測定ポイントなどを明確に指示できなかったのです。
その派遣社員の方は似たような作業を私の前任者から依頼される形で以前から行っていて、それで私が「今まではどう行ってきましたか?」と聞いたところ、上記のような回答が返ってきたのです。
このやり取りに関しては個人によって様々な捉え方をするでしょうが、私はその人は優秀な人だと考えています。
仕事を任される立場として、仕事の要求をきちんと捉え、その要求に従って仕事を実行する。
そのような考えをしっかりと持った人であったからこそ、私の曖昧な要求に対してきちんと異議を唱えてくれたのだと思いますし、私はそのことにとても感謝しています。
仕事を任せる立場の人たちの能力の差は広がる一方
仕事を任せると言っても、そのやり方は人それぞれです。
何も考えずに仕事を丸投げするだけの人もいれば、相手の立場に立って仕事を任せる人もいることでしょう。
前者のやり方をしている限りはその人の成長は見込めないでしょうが、後者のような働き方をしている分には大いに成長の余地があります。
ときには、自分自身で仕事を行う以上に自分の成長につながることもあるでしょう。
ですから、仕事を任せる立場の人たちほどその能力の差は大きいものとなっていくのです。
仕事を丸投げする無能な人たちと、仕事の全体像を見通した上で任せることができる優秀な人たち、その差は広がる一方なのです。
私は前者のような人間にはなりたくないという思いだけは強く持っています。
コメント