【銘柄紹介】サラリーマン視点での企業分析 #10~若き学生社長が世に生み出したスキマバイトアプリを展開するタイミー(非上場)

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今、人々の働き方に対する価値観が大きく変わりつつあります。

働き方改革が広く叫ばれるようになった中、最近はメンバーシップ型雇用ジョブ型雇用という言葉を耳にする機会も多くなってきました。

簡単に言えば、メンバーシップ型雇用は「人に仕事をつける」雇用形態、ジョブ型雇用は「仕事に人をつける」雇用形態です。

日本で主流の雇用形態は前者のメンバーシップ型雇用で、毎年一定数の新卒者をポテンシャル採用して、仕事は後から振っていきます。


ただ、あるかどうかもわからない仕事を見込んで採用するよりは、実務に即した基準で雇用を行うジョブ型雇用のほうが合理的な雇用形態と言えるでしょう。

こうしたジョブ型雇用は、今後日本においても増えてきそうです。

また、さらに贅沢を言えば、必要なとき、必要なタイミングで企業の働いてほしい時間を埋めてくれる人材を雇えるとすれば、企業にとってこれほどありがたいことはないでしょう。


少なくとも、アルバイトであればそうした単発バイトを実現するサービスが続々と登場しています。

スキマバイトアプリの「タイミー」もそのひとつです。

このタイミーを運営するのが株式会社タイミーで、このタイミーの創業者でもあり代表取締役社長を務めるのはなんと1997年生まれの大学生です。


2020年時点で若干23歳の若き社長は東証史上最年少での上場を目標に掲げています。

もしもこの目標が現実のものになると仮定すれば、同社の上場は2年以内ということになります(株式上場の最年少記録は 25歳1か月)。


その実現を信じ、今回は近い将来上場する可能性のある同社のビジネスモデルについて考察してみたいと思います。

スキマバイトアプリを展開するタイミー

人気女優の橋本環奈さんを起用したテレビCMで話題となったスキマバイトアプリの「タイミー」。

同名の株式会社タイミー(非上場)が運営するこのタイミーは「この時間なら働ける」人と「この時間だけ働いてほしい」企業、それぞれのスキマ時間をつなぐスキマバイトアプリです。

タイミー TVCM「ドタキャン篇」


応募者は書類を書くことも面接をすることもなく、働きたい案件を選ぶだけですぐに働くことができ、勤務終了後にすぐにお金を受け取ることができます。  

また、企業側も、働いてほしい時間や要求するスキルを登録するだけで、後はアプリが条件にあった働き手を自動マッチングしてくれます


一見すると、面接をすることもなく気軽な気持ちで来た人材がきちんと仕事をしてくれるのか、その有用性には大いに疑問を持つことでしょう。


こうした不安に対し、タイミーでは相互評価のシステムを導入することでその不安をカバーしています。

タイミーには働き手側と店舗側の両者が相互に評価できる仕組みがあります

働き手側はこの評価が下がると他のお店から雇ってもらいにくくなり、働く場所や機会が減ってしまいます。

また、店舗側もお店の評価が下がると人を集めにくくなります。

この評価システムにより、働き手は自身の行動に責任を持つようになり、店舗側も過酷な労働環境でアルバイトを働かせるようなことがないよう抑止力として機能しているのです。


また、この評価はいわばその人のアルバイターとしての能力や価値を示す指標になりえます。

この評価があるからこそ面接なしでもその人を採用してもよいと判断することができるようになるのです。

23歳社長が見据えるアフターコロナの世界

そんなタイミーを生み出したのは当時21歳の大学生です。

1997年生まれの小川嶺さんは、2018年8月にこの「タイミー」をリリースしました。

そこから一気に急成長を遂げ、2019年には総額23億円、2020年にも総額13.4億円もの資金調達に成功し、若干23歳にして2年間で30億円超えの資金調達を達成しました。

DeNA会長の南場智子さんやサイバーエージェント社長の藤田晋さんなど錚々たる顔ぶれとの交友関係を築き、2019年にはフォーブス アジアの30UNDER30にも選ばれたほどで、今や経営者界隈でもっとも注目されている若者のひとりです。


そんな急成長を遂げていた同社ですが、奇しくも今年は新型コロナウイルスが世界中に蔓延し、それはタイミーのビジネスにも大きな影響をもたらしました。

当時売上の7割近くを占めていた飲食店の経営が軒並み悪化し、それによって同社の売り上げも一時は急激に悪化したそうです。


それでも、小川さんはそのことを決して悲観的に捉えてはいないようです。

このコロナ禍によって固定人件費を抱えることのデメリットが浮き彫りになりましたが、同社のサービスは固定人件費の削減につながるもので、むしろコロナ禍は同社のサービスにとって追い風になると小川さんは語っています。

限られた人材を有効活用する

同社のサービスは固定人件費の削減につながるもので、実際に現在は「人件費の変動費化」に営業トークを移しているようです。

たとえば、常に必要な労働枠には正社員を当て、変動する労働枠の部分に同社のサービスを使ってもらうという提案をしているようです。


どこの会社も人手が足りていないなどとはよく言いますが、私自身は別に会社の人員が不足しているとは特に感じません。

会社にいる人員の絶対数が少ないのではなく、単にその人材を有効活用できていないだけ、私はそのように感じています。

会社には忙しそうにしている人たちもいる一方で、たいした仕事もすることなく暇を持て余している人たちも大勢いるのです。


限られた人材を有効活用できる仕組みが会社には必要です。

タイミーのマッチングシステムや相互評価の仕組みは、それを考える上で大きなヒントになるはずです。

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