株式投資における年末の損出しの注意点

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2020年も残すところあとわずかとなりました。

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて一時は大荒れとなった2020年の株式市場ですが、そんな2020年も終わっていればNYダウは史上初の3万ドル超え、日経平均株価も29年ぶりの高値を更新するなど、このまま推移すれば全体を通してみれば株式市場としては好調な1年だったと言えそうです。


とは言え、山あり谷ありな相場であったため、高値で購入してしまってそのまま含み損の状態にある銘柄を抱えたままになっている個人投資家の方もいるかと思います。

そのような場合には、年末までに一旦そのような含み損の銘柄の損失を確定させる「損出し」をしておくことをお勧めします。

損出しを行うことでその年に確定した利益にかかる税金を減らすことができます。

損出しとは

損出し」とは含み損のある銘柄を売却して損失を確定させることです。

損出しを行うことでその年に確定した利益にかかる税金(税率20.315%)を減らすことができます


たとえば、すでに確定させた損益(譲渡益)が100万円あったとします。

一方で、いくつかの銘柄で含み損を50万円抱えていたとします。

この場合、課税対象となるのはすでに確定させた100万円分のみであるため、100万円×約20%≒20万円ほどの税金がかかることになります。

一方で、この含み損のある銘柄の損出しを行うことで確定損益は50万円となりますので、税金の額は50万円×約20%≒10万円となります。

このように、損出し行うことで税金の額を減らすことができるのです。


もちろん、翌年以降でも損出しを行うことは可能ですが、翌年以降も他の銘柄で同じように利益を積み上げられるとは限りません。

そのため、今年の確定損益がプラスになっているのであれば、可能な限りその年内に含み損の銘柄の損出しを行っておくことをお勧めします

2020年の国内株式の最終受渡日は?

2020年の国内株式の税制上の最終取引日(最終受渡日)12月28日(月)となります。

この最終受渡日までに行われた取引が2020年分の取引分として扱われます


実際には2020年の株取引の最終日(大納会)は12月30日(水)になりますが、12月29日・30日の取引は税制上は翌年以降の取引分として扱われます。

ですので、2020年に損出しを行う予定の方は12月28日までに行うようにしましょう

損出しの方法

損出しの方法には以下のような方法があります。

現物取引で売却して翌営業日以降に買い戻す

ひとつの証券開始だけで口座を開設していて、また信用口座を開設していない(現物取引のみ可能な)場合にはこの方法により損出しを行うことになります。

まず、現物取引で含み損の状態にある銘柄を一旦売却します。

その上で、翌営業日以降にその売却した銘柄を買い戻します。


この方法の注意点は売却した翌営業日以降に買い戻すことです。

当日(同一営業日)に買い戻すことも決して駄目ではないのですが、その場合には損出しの効果が半減してしまうのです。

これは何故かというと、特定口座の仕組み上同じ銘柄を売買した場合に「売却」よりも「購入」が先に処理されてしまうからです。

(詳しくは下記をご確認ください。)

同一営業日の売買の注意点

仮に100株保有で5万円の含み損が生じている銘柄を同一営業日に売却(100株)→購入(100株)した場合、実際には購入→売却の順で処理されます。

つまり、一旦200株保有で含み損が5万円の状態となり、この状態で半分の100株を売却したことになるため、半分の損失(2万5千円)だけしか確定させることができず、残り半分の損失が含み損の状態のまま残ってしまうのです。


この方法のデメリットは売却したときと同値で買い戻せないリスクがあることでしょう。

可能性としては低いでしょうが、売却後に株価が大幅高してしまうリスクもないわけではありません。


ですので、確実に売却した価格と同値で買い戻したい場合には以下のようにして損出しを行います。

現物取引で売却して信用取引で買い戻す(信用口座を開設している場合)

信用口座を開設している場合にはこの方法が使えます。

先ほど述べた同一営業日の売買では損出しの効果が半減してしまうという現象は現物取引のみで売買をした場合に起こる話です。

現物取引で売却した銘柄を信用取引で買い戻す分(「クロス取引」と呼ばれます)にはこのような取得単価の平均化が行われないため、同一営業日の売買であっても損出しを行うことが可能です。


クロス取引の一般的なやり方としては以下のような方法となります。

・取引開始前に損出ししたい銘柄の「現物売り」注文を出しておく(価格は「成行」)

・取引開始前に同銘柄の「信用買い」注文を出しておく(価格は「成行」)


ポイントとしては、「取引開始前」に「成行」で注文を出しておくことです。

こうすることで、確実に売却した価格と同値で買い戻すことができます。(実際には取引手数料の分だけマイナスとなります。)

複数の口座で売買を行う(複数の証券口座を開設している場合)

複数の証券会社で口座を開設している場合にはこの方法が使えます。

複数の証券口座を保有している場合には、損出しをしたい銘柄を抱えている証券口座のほうでその銘柄を売却し、別の証券口座のほうでその銘柄を買い戻すことでも同一営業日に損出しを行うことが可能です。


取引上の注意点としては、「現物取引で売却して信用取引で買い戻す」場合と同じです。

損出しの注意点

このような損出しを行う上では相場の価格形成に影響を与えないように注意しましょう

普段出来高が少ない小型株などで損出しのために大量の売買を行ってしまうと仮装売買(株式の売買が繁盛に行われていると他の投資家に誤解させ取引を誘引すること)にあたるとみなされてしまう恐れがあります。


大量の小型株を保有していて損出しが必要な場合には、一度にすべての保有株の損出しを行うのではなく何日かに分けて処理するなど相場に影響を与えないような配慮が必要です。

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