社会人にとって「報連相(報告・連絡・相談)」は欠かすことができない大切なものです。
部下は上司に対してこの報連相をしっかりと行っていかなければなりません。
その一方で、上司から部下への報連相は案外軽視されていたりするものです。
上司は管理職として部下の仕事を知っておく必要がある、一方で部下は上司の仕事を知る必要はない。
このような考えがあるためか、部下が上司に報告を行うのは当たり前、一方で上司から部下に報告を行うのは当たり前のことではない、そのような考えがわりと一般的であるような気がします。
みなさんの会社(部署)でも、たとえば定例の会議で部下から上司への報告はあっても、上司から部下への報告はほとんど行われない、またはごく手短かに行われるといったことはないでしょうか。
私は、部下が上司に報告するのと同じような形での上司から部下への報告を望みます。
そして、それはきっと上司にとっても有益なことであると思うのです。
報告ができない上司は無能化していく
無能な上司の存在は部下の大きな悩み事のひとつです。
インターネット上には上司に対する不満の声があふれかえっています。
ですが、なぜこれほどまでに無能な上司は多いのでしょうか。
有名なピーターの法則にその理由を求める人もいることでしょう。
それも確かに理由の一つだとは思います。
(ピーターの法則については以下の記事を参考にしてください。)
【参考記事】
ですが、上司が無能であると感じる理由はこれだけではないはずです。
私が仕事をしていて感じるのが、上司から部下への報告というのがどこか軽視されているということです。
この「上司から部下への報告の不足」が部下が上司に対して不満を感じる理由のひとつにあると私は感じています。
報告することは自分自身を成長させ、さらには周りの人々の成長にもつながるものです。
ですから、報告意識が希薄な上司というのはどんどん無能化していき、周りからの信用が得られなくなるのです。
報告することは可視化すること
私は自分の仕事を「宣言」しなければ気が済まない人間です。
ここでは「宣言」という言葉を使いましたが、要は相手に対して自分の仕事内容を明言する(すなわち報告する)ということです。
自分の仕事を宣言・報告することは、自分の仕事内容を可視化するということです。
自分ひとりですべてをこなすのでない限り、自分の仕事を可視化することはとても大切なことです。
あなたの仕事内容に対する理解が深まれば深まるほど、周りもあなたをサポートしやすくなります。
また、心情的にも一方的にこちらのことを聞いてくるだけで自分のことは何も話さない人よりは、相手に求めるのと同じように自分も相手に与えてくれる人のほうが積極的に関わっていきたいと思えるはずです。
【参考記事】
上司の仕事というのは、自分が動くのではなく相手(部下)に動いてもらうことで成り立つことのほうが多いはずです。
ですから、自分の仕事を報告することはプレイヤーではなくマネージャーとして動く上司にこそ本来必要なことであるはずなのです。
報告することで自分と周りの成長につながる
報告にはその人のビジネスマンとしての能力が表れます。
報告スキルは、コミュニケーション能力が重視される現代においてはきわめて重要な能力です。
ですから、このような報告スキルを向上させていくためにも、日頃から報告することを念頭に置いて仕事に取り組んでいくことを心掛けるべきだと思います。
また、報告することは自分自身を成長させ、さらには周りの人々の成長にもつながるものです。
報告するにあたっては情報や知見を棚卸しすることが必要となりますが、その作業を通じて自分自身の理解もより深まるはずです。
周りからも適切なアドバイスを受けやすくなり、自分の持っている考えや情報がさらに洗練されていくことでしょう。
また、報告の場というのは聞き手(読み手)にとっても有益な情報が得られる機会でもあり、優れた報告の仕方を学ぶチャンスでもあります。
ですから、優れた報告というのはその報告を受ける者にとっても有益なものであると言えるのです。
このように報告を行うことは非常に大切なことであるはずなのに、報告意識が希薄な上司が多いような気がするのは何故でしょうか。
上司はもっと部下への報告を大切にしてほしいと思います。
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