紙1枚の資料作りから学ぶ思考の構造化術

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資料作成って否定的に捉える人と肯定的に捉える人とで二極化しますよね。

前者の人たちの考えの前提にあるのは、資料を作ることはなんの価値も生まない、だからそんなこと(資料作り)は価値を生む作業ができない二流の人間のやることだ、こんな考えですかね。

エンジニア系の職種の人たちはわりと前者のような考えの人のほうが多いような印象です。


私は今はどちらかというと後者の考えです。

口頭でのコミュニケーションが嫌いで自分が口頭で言われるよりも文章で伝えてほしいという思いがあるからですね。

優れた資料を作れる人は頭が良い?

自分はそのように思ってしまうんですけど、皆さんはどうでしょうか?

というか、自分がエンジニアのように設計書や図面を作ったりする立場でないからか、逆に力をかけることってそこ(資料作り)くらいしかないんですよね。


そうしたこともあって、一時期やたら資料作成にこだわっていた時期がありました。

それで、会議の場にやたらこだわった資料を持ち込んだりして、よく周りから引かれていました。

(しかも、試行錯誤して作った割には、今見返すといまいちな出来だったりします。)

紙1枚の資料作り

ちなみに、当時私がこだわっていたのが紙1枚にまとめる資料作りで、A4またはA3サイズ1枚で資料を作るというものです。

有名なところでは、やっぱりトヨタのA3報告書の文化ですかね。

トヨタにはA3用紙1枚の標準化されたフォーマットに記入して文書を作る慣習が古くからあるそうです。


やっぱりこのトヨタという肩書きは大きいですね。

錯覚資産としては絶大ですからね。

資料作りっていわゆる正解のない作業ですから、優れた資料(フォーマット)の指標としては、やっぱりそれを使っている企業の価値によるところは大きいと思います。

「あのトヨタで使われている資料のフォーマットに従って書きました」と言えば少なくとも間違いにはならないでしょうから。

紙1枚に収まるわけがない

まず先に、この紙1枚の資料作りのデメリットからお話しします。

最大のデメリットが、「紙1枚に収めること」それ自体が目的化してしまうことです。

そもそも、扱うテーマによって内容の規模も違うはずで、それを一律に紙1枚に収めるというのはある意味では非効率な考えです。


無理やり1枚に収めるために情報を削ったり詰め込みすぎたりしても、それはそれで逆効果です。

それで伝えなければならない情報が漏れたり、あるいは見過ごされやすくなったりしては元も子もありません。

また、フリーの用紙に情報をただ書き出していくのに比べれば、レイアウトの編集などにも大幅に時間を要してしまうことがあります。

紙1枚に収めることによって思考の構造化を図る

それでも、この紙1枚ルールには大きな意義があると感じています。

この紙1枚に収めることの大きな意義、それは思考の整理、すなわち構造化を行うことです。


先ほどデメリットの中で紙1枚に収まるわけがないという話をさせていただきましたが、逆に言うと紙1枚のスペースに情報を収めきるためには情報や思考の整理というのが必要不可欠なわけです。

資料に抽象的な情報は必要ない?

抽象的な説明や情報というものを軽視する人をよく見かけます。

特にエンジニアのような専門職の人たちにとっては、自分たちは専門性の高い高度な情報を扱っている、そんな抽象的なうわべだけの説明をする必要はない、そういった考えを持っている方は多いのではないでしょうか。


私の考えとしては、その資料がどういった人たちに向けて作られたものであるかによって話が変わってくると思います。

すでに一定のスキルを備えているエンジニア同士で情報を共有する場合であれば、確かに資料に抽象的な説明などはなくてもよいのでしょう。

ですが、必ずしも専門的な知識を有していない(その必要がない)人たちに対して情報を開示する資料であれば、そういった抽象化された説明というのはあって然るべきだと考えてます。

抽象化されたルールを決めておく

また、エンジニア同士の情報共有のための資料であっても、検討会や報告会などの場でその報告者に対して同僚からいろいろな指摘が挙がるわけですが、そこでこう思うことがあります。

その指摘がなぜ今この場で出るのだろう? と。


相手が説明した内容に対する具体的な中身に関する質問であれば仕方ありません。

ですが、たまにもっと抽象的な話やそもそも論的な話が出るという光景を多々見かけます。


そのような抽象化された内容であれば、それこそ資料にその抽象化された項目をフレームワークとして事前に盛り込んでおけばいいだけです。

そうすれば、報告者はその資料のフレームワークに従って内容を埋めていくだけで、そうした要求を満足することができるようになるのです。

紙1枚ルールの本質は資料を設計すること

この紙1枚の資料作りの本質は、そういった資料の設計を行うことにあると思います。

資料のあり方を設計し型を作りこむことで機能性が高まり、書くべきこと、すなわち考えるべきことが明確になる。

それによって、書き手と読み手の双方にメリットが生まれるわけです。


資料の型を決めることは、仕事内容を設計することにあたります

ですから、決して無駄な作業ではないはずです。

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