「普通の社員」は優秀な社員

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女性が考える「普通の男性」の定義がしばしばネット上で議論になることがあります。

婚活女性が「普通の男性でいんだよ」と言って挙げる普通の男性の条件に対して、その条件を満たす男性は「全然普通じゃない!」と返すあの議論ですね。


私は、この議論は社会人にもある程度当てはまると思っています。

確かに、仕事にはセンスやインスピレーションといったものも大事です。

ですが、別にそういった特別なセンスはなくとも、社会人に求められる基本的な能力を一通り備えている、要するに「普通のことを普通にこなすことができる」のであれば、(特別高みを目指さない限りは)それで十分だと思うのです。


我々が考える「普通の社員」というのは、思っているよりもずっと「優秀な社員」のはずです。

「普通の男性」は普通の男性でない

過去にあるテレビ番組において一般女性にヒアリングして行った「普通の男」の条件というのが大きな話題となったことがあります。

その番組で挙げられた具体的な条件は次の通りです。


普通の男の条件

  • 年収500万円以上
  • 大卒
  • 身長170センチ以上
  • 正社員
  • 長男以外
  • 清潔感がある
  • 常識やマナーがきちんとしている


さて、言うまでもなくここに挙がっている条件をすべて満たす男性というのは「普通の男」ではありません

この条件には2つのツッコミどころがあります。


ひとつが、まず個々の項目をみていってもその条件を満たすことが決して普通ではないということです。

たとえば、結婚適齢期の20代・30代の男性の平均年収をみていくと、20代の男性で371万円、30代男性で484万円ということですから、「年収500万円以上」の男性は決して普通とは言えません。

(引用元 https://doda.jp/guide/heikin/age/)

また、そもそも「普通」を平均以上と考えること自体がおかしな話です。

何かをラベリングするときは「優れている」が2割、「普通」が6割、「劣っている」が2割くらい(甘くみても「優れている」が3割、「普通」が4割、「劣っている」が3割)で考えるべきです。

上記のラベリングで言えば、普通以上の定義は上位8割(甘く見ても上位7割)くらいで考えるべきだということになります。

ですから、年収500万円以上は全然「普通」ではないわけです。


また、何より問題なのが、上で挙がっている条件すべてを満たす確率というのはきわめて低いということです。

仮にそれぞれの条件を満たす確率がすべて50%であったとしても、上の7つの条件すべてを満たす確率は50%の7乗≒約0.8%ということになります。(個々の条件を満たす確率を70%で計算したとしても、すべての条件を満たす確率は約8%程度です。)

実際には年収と大卒か否かまたは正社員か否かは独立事象ではない(相関性がある)ため、確率は単純な掛け算になりません。


ですが、あくまでここで言いたいのは、上のすべての項目が「普通」という人はきわめて少ない、つまり全く「普通」ではないということです。

「普通の社員」は普通の社員でない

私が上の議論を聞いて思ったのが、この議論は社会人にもある程度当てはまるのではないかということです。

つまり、会社が期待する普通の社員像というのは全然普通ではないのではないかということです。


社会人に求められるスキルは多岐にわたります。

専門的なスキルも大切ですが、それ以上に社会人としての基礎的なスキルやマインドが求められています。

この基礎的なスキルの一例として、経済産業省は「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」である「社会人基礎力」として、以下の3つの能力(12の能力要素)を提唱しています。

(参考URL:https://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/index.html)


経済産業省が提唱する「社会人基礎力」

  • 前に踏み出す力(アクション)
  • 考え抜く力(シンキング)
  • チームで働く力(チームワーク)


この3つの能力に関してですが、たとえば、この3つの能力のうち「考え抜く力(シンキング)」と「チームで働く力(チームワーク)」にはそれほど大きな相関はありません。

事実、私は「考え抜く力」が比較的あるほう(平均以上)だと自負していますが、「チームで働く力(チームワーク)」 は壊滅的なレベルです。

また、「前に踏み出す力」には3つの能力要素(主体性・働きかけ・実行力)が含まれますが、自ら進んで取り組む力(主体性)はあるけれども他人に働きかける力(働きかけ)に欠けるという人(またはその逆のケース)もいるはずです。

「普通の社員」は優秀な社員

要するに、社会人にはあらゆる能力が求められるわけですが、それらをすべて普通にこなせる能力があればその人はもはや普通の社員ではないということです。


確かに、仕事にはセンスやインスピレーションといったものも大事です。

ですが、別にそういった特別なセンスはなくとも、社会人に求められる基本的な能力を一通り備えている、要するにあらゆることに対して普通にこなしていけるのであれば、(特別高みを目指さない限りは)それで十分だと思うのです。


我々が考える「普通の社員」というのは、思っているよりもずっと「優秀な社員」のはずです。

仕事にセンスや感覚を持ち出す人はよくいますが、それを磨くよりも目の前のことをひとつひとつ当たり前にこなしていくことの方が大事なことなのではないでしょうか。

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