現代はコスパ至上主義の時代と言えます。
つい先日には、2時間の映画の内容を10分程度にまとめた通称「ファスト映画」をYouTube上で無断公開していた罪で全国で初となる逮捕者が出たことがニュースになったばかりですが、このようなファスト映画が人気を集めるのにも、現代人のコスパ志向が関係しているのではないでしょうか。
そんなコスパ重視の現代において、その対極にあると言えるのが「仕事を頑張ること」です。
仕事で頑張ることは報われない
もしも仕事に対してコスパを追求するのであれば、いかに仕事で手を抜くかを考えるべきと言えるかもしれません。
そう言ってしまっても過言ではないほど、日本の会社では仕事に費やした労力やそれによる成果が賃金に反映されづらいという実態があります。
ボーナスの金額が個人の業績や査定結果に連動する仕組みを導入している企業もあるかもしれません。
ですが、このような企業の多くでは、成果とそれに対する報酬(賃金のアップ率)とが明らかに釣り合っていません。
ボーナスの支給額が個人の査定に連動するとは言っても、その変動幅は精々1~2割程度に過ぎないのです。
おそらく、従業員ごとの生産性の差はそんなものでは済まないはずです。
会社は、優秀な従業員に対して十分に報いることができないのです。
コスパ重視の時代に仕事を頑張るわけがない
どれだけ成果や生産性を高めたところで、給料の増加幅はたかが知れています。
逆に、どれだけ成果や生産性を下げたところで、給料の減少幅もたかが知れています。
もしも仕事のコスパを再優先に考えるのであれば、仕事を頑張るべきか、それとも手を抜くか、どちらが得策かは一目瞭然です。
また、年功序列の会社で働いていれば、そのような思いは一層高まるでしょう。
ただ会社に長く在籍しているだけにしか見えない中高年の社員が高い給料をもらっている姿は、仕事で頑張ることの無意味さを教えてくれます。
コスパ重視の時代に仕事を頑張れるはずもないのです。
公平な評価を望むからこそ仕事の手を抜く
これまで仕事や労働に対して消極的な考えを述べてきたものの、本心としては仕事を頑張っている人たちが報われる世の中であってほしいと思っています。
年俸制の会社のように、賃金が個人の業績に完全に連動するというのは確かに難しいと思います。
ですが、それにしても、会社と言う場所は真面目に努力している人間が馬鹿を見ると言ってしまいたくなるほどに公平さが感じられないのです。
だからこそ、仕事はあえて手を抜くべきだとも思います。
もしも、皆が仕事にコスパだけを追い求めれば、生産性は低下していき会社の業績の低迷を招くことになるかもしれません。
それは、もしかしたら仕事のあり方を見直すきっかけとなるかもしれません。
問題点を顕在化させることで、それを問題だと認識することができるようになります。
そして、その解決に向けて動き出せるはずです。
公平な評価が行われるようになってほしい、だからこそ私はあえて仕事の手を抜こうと思います。
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