人間関係の悩みの大部分を占めるのが上司との関係ではないでしょうか。
このような上司と部下の関係性の問題というのは大変根が深いものです。
上司を嫌いになると、上司だけでなく会社のことや同僚のことも嫌いになっていきます。
また、多くの会社が掲げる「チームワーク」という言葉に対しても激しい拒絶感を覚えるようになり、周りとの助け合いの気持ちも失われていきます。
言うならば、上司を嫌いになると会社という組織そのものに嫌気がさしてくるのです。
上司を嫌いになると会社のことが嫌いになる
あなたが自分の上司が嫌いだとして、始めのうちはその上司に対する不満が募るだけかもしれません。
ですが、いつしかその不満は会社にも向けられるようになります。
そもそも、(理由は様々にせよ)その上司を今の役職や立場に置いているのは会社の判断なわけです。
トップダウンで物事が決まっていくピラミッド型の組織において、上司の権限は非常に大きいものです。
しかしながら、日本の会社はそんな社員の人事を軽く見ている節があります。
本人の力量とは無関係に年功序列で昇進が決まることも少なくありません。
それによって、本来そのポストには不相応な人間がそこに収まることになるわけですが、それで困るのはそんな人間の下につくことになる部下なわけです。
そう考えると、上司に不満を抱いている人たちにとって、現状の状況を作り出しているすべての諸悪の根源は会社の人事とも言えるわけです。
ですから、上司に対する不満は次第に会社に対する不満として募っていくことになるのです。
上司を嫌いになると同僚のことが嫌いになる
このような上司に対する不満の矛先が向かうのは会社だけに留まりません。
それはいつしか一緒に働く同僚たちにも向けられるようになります。
誰もが心の中では平穏な会社生活を送りたいと考えているはずです。
誰だって厄介な揉め事やトラブルなどに巻き込まれたくはありません。
ですから、まるで尊敬していない人間に対しても表向きはおべっかを使ったり忖度したりするものです。
それが職場における無難な対応と言えます。
ですが、自分が嫌っている上司に対して仮に同僚たちがおべっか全開でその上司のご機嫌をとっていたとしたら、おそらくそれを快く思ったりはしないでしょう。
あなたの不満次第では、お前たちがその上司のことを突き上がらせている、つまり今の自分の悩みの種を作っているのはお前たちだ、そのような感覚に陥ってしまうこともあるかもしれません。
そのようにして、上司に対する不満がいつしか同僚たちに対する怒りの感情に変わってしまうこともあるのです。
上司を嫌いになるとチームワークが嫌いになる
会社は組織でありチームで活動する場です。
すなわち、あなたが行った仕事はあなたのためだけでなくその目的を共有する他の人たちのためにもなるのです。
ですが、これは裏を返せばあなたが仕事を頑張ることはあなたの上司のためにもなってしまうということです。
仮にあなたがその上司の仕事のやり方に不満を抱いていたとしましょう。
それでも、あなたがその職場で仕事をなんとかこなし続けている限り、その上司のやり方は正当化され続けてしまいます。
場合によっては、あなたの功績がその上司の功績になってしまうこともあるでしょう。
そんな状況を望むでしょうか。
私であれば望みません。
これは同僚たちに対しても同じことが言えます。
同僚たちはあなたの味方になってくれることもあるかもしれません。
ですが、先ほど述べたようにあなたの神経を逆撫ですることもあるでしょう。
上司に対する強い不満がある限り、あなたにとって会社も同僚も敵意を向ける対象でしかなくなります。
そうして、チームに対する仲間意識や協調意識が薄れていき、チームワークが嫌いになっていくのです。
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