社員を辞めさせられない会社と会社を辞められない社員

この記事は約3分で読めます。

かつて日本の企業は家族のごとく付き合える職場を理想としてきました。

社員同士は深い絆で結びついており、会社と社員はまさに一心同体。 

そのような理想を掲げる会社は未だなお数多く存在します。


しかしながら、もはや現代においては会社と社員の間に信頼関係など存在しないようにも思えます。

社員を辞めさせられない会社

日本の会社において、会社の従業員は法律によって手厚く保護されています。

会社はよほどの理由がない限り、自社の正社員を辞めさせることができません。

能力もやる気も伸びしろもない、それどころか会社に損害を与えている社員がいたとしても、会社は可能な限りその社員を雇い続けるための努力を講じなければならないのです。


そんなろくでもない社員を雇い続けることの弊害はそれだけではありません。

他の社員にそのしわ寄せが来てしまい、その結果として会社にとって必要な人材が会社を去ってしまうという悲劇も起きてしまいます。

また、会社は簡単に社員のクビを切るわけにはいきませんが、そのことが新たに従業員を雇うことのハードルを高いものとしています。

市場に優秀な人材が出回っていたとしても、自社の使い物にならない社員に貴重な枠を取られてしまい、そのような人材を迎え入れることができないのです。

このことが、日本の人材の流動性を一層低いものとしています。

会社を辞められない社員

一方で、社員側にも簡単には会社を辞められないという事情があります。

いまだなお多くの日本人が、ひとつの会社で勤め上げることを前提としたキャリアプランを形成しています。

家庭を築き、ローンを組んでマイホームを構え、文字通りその会社に骨を埋める覚悟で働いています。

そのレールから外れるわけにはいかないのです。

ですから、たとえ会社から足元を見られようとも、いつまでもそこに留まろうとするのです。


また、会社を辞める人というのはどこの職場でも通用するような優秀な人材か、もしくはドロップアウトした人かといったように二極化しているイメージがあります。

ですから、世間の大多数を占める中間層の人たちにとって、会社を辞めることはどこか他人事のように思えてしまうのです。

会社と社員の利害関係

結局のところ、会社と社員を結びつけているものはそれぞれの妥協に過ぎないと考えています。

会社を辞められない社員の弱みにつけ込んで、社員を不当にこき使おうとする企業もあります。

その一方で、会社が社員を簡単に辞めさせるわけにはいかないことを逆手に取って、仕事を舐めてかかる輩もいます。


それでも、会社はその従業員を雇い続けるしかないし、社員もまたその会社で働き続けるしかありません。

そこにあるのは、社員を辞めさせられない会社と会社を辞められない社員、それぞれの駆け引きのみなのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました