「広く浅く」仕事することの危険性

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仕事の中には「広く浅く」働くことが求められる業種や職種もあれば「狭く深く」働くことが求められる業種や職種もあります。

では、仕事や働き方としては、「広く浅く」と「狭く深く」のどちらが良いのでしょうか。


私としては、「狭く深く」働くことができる仕事のほうがいいと考えています。

なぜなら、その逆の「広く浅く」という働き方には大きな危険性が潜んでいると思うからです。

その理由について、お話しさせていただきます。

「広く浅く」仕事することの問題点

仮に今、社内に10個の仕事の案件があるとします。

「広く浅く」働く人たちというのは、この10個のうち9個の案件を請け負って、請け負った案件の達成度としては40点くらいを目指すようなイメージです。

一方、「狭く深く」働く人たちというのは、この10個のうち4個の案件を請け負って、請け負った案件の達成度としては90点くらいを目指すようなイメージです。


両者の人たちの仕事量を総合点で比較してみます。

「広く浅く」働く人たち:40点 × 9 案件 =360点

「狭く深く」働く人たち:90点 × 4 案件 =360点

すなわち、トータルではどちらも同じだけの成果を上げていると言えます。


しかしながら、このような場合に「広く浅く」働く人たちは「狭く深く」働く人たちよりも評価されにくいというのが私のこれまでの経験に基づく見解です。

ここに「広く浅く」仕事することの問題点があると言えます。

やらなかったという事実は残らない

「広く浅く」働く人たちは過小評価されがちだと感じます。

それはなぜかと言えば、やらなかったという事実は残らず、中途半端にやったという事実だけが残るからです。


先ほどの例でいえば、「狭く深く」働く人たちというのは一部の仕事だけに深く関わり、残りの仕事にはほとんど手をつけません。

言ってしまえば、手をつけなかった仕事の成果に関して言えばほぼ0点なわけです。


ですが、だからといってそのことで評価が下がることは通常ありません。

仕事を振られたのにもかかわらず手を付けなかったのであれば問題でしょうが、大抵の場合は初めから仕事の割り振りが決められているからです。

案件ごとの議事録や資料の中に関わらなかった人間の名前は一切出てきません。

その仕事をやらなかったという事実はどこにも残らないわけです。

中途半端にやったという事実だけが残る

一方で、「広く浅く」働いている人たち、多くの仕事を請け負って及第点の達成度を目指した働き方をしている人たちはそうはいきません。

仕事に関わった以上はその人の仕事ぶりや成果は関係者にも知られることになりますし、また記録にも残ります。

しかしながら、そうして「広く浅く」働く人たちの成果として周りに知られるのは40点くらいの中途半端な成果なわけです。

もちろん、その人が非常に多くの仕事をこなしていることを知っていて、中途半端な成果や関わり方になってしまうことに対して理解を示してくれる人もいるでしょう。

ですが、すべての人たちがその人の仕事量を把握しているわけではありませんから、一部の仕事だけを切り取られて「もう少し仕事をしてほしい」「あいつは中途半端な仕事しかしない」というレッテルを張られることも決して少なくはないのです。


また、「広く浅く」といった働き方は、後から振り返ったときに特に過少評価されがちです。

後から過去の資料を見返したときに、その資料の中身や出来が中途半端なものであった場合に多くの人たちがその資料の作成に関わった人たちの実力を低く評価してしまうことでしょう。

しかしながら、もしかしたら彼らはその当時膨大な数の仕事に追われていたのかもしれませんし、その限られた時間を考えれば十分すぎるほどの仕事をしていたのかもしれません。

それでも、残念ながらそのような時間が足りなかったという事実は残らず、後に残るのは中途半端にやったという事実だけなのです。

「広く浅く」仕事することの危険性

このように「広く浅く」仕事をする人たちは過小評価されがちです。

このように過小評価されてしまうこと自体も問題だとは思いますが、「広く浅く」働くことはもっと大きな危険をはらんでいます。

それが、このような過小評価を覆そうとするあまりオーバーワークに陥ってしまうことです。


時間が足りないがためにできなかったことをさも実力がないからできなかったかのように捉えられてしまうのは大変不本意なことです。

ですから、本来は時間で区切りをつけるべきところを自らの能力の限界まで働き、その結果ハードワークやオーバーワークに陥ってしまうということがしばしば起きがちです。

このような悪循環に陥って、体調やメンタルを崩してしまった人を私は何人も知っています。

「広く浅く」働く人たちは無意識に「広く深く」働くことを目指し、そしてそれに耐えきれずにつぶれていくのです。


このようなことが起こらないよう、本来は管理職の人間や上司が仕事量をセーブしたり気持ちのフォローをすべきなのでしょう。

ですが、上司の中には感情論を持ち出してむしろ仕事を煽ったりするような人間がいるのも事実です。

このような上司のもとでは一層追い詰められてしまうだけでしょう。


このような悲劇が起こらないよう、すべての社員の仕事量や成果が可視化されて正当に評価されるような仕組みが導入されることを心から望んでいます。

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