新型コロナウイルス対策はトロッコ問題【トロリー問題】

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新型コロナウイルスの感染対策の長期化はほぼ確実的な状況になってきました。


すでに経済への影響は深刻です。

世界中のあらゆる国で経済活動が著しく制限されており、日本においても緊急事態宣言が発令されたことによりあらゆる事業の自粛や活動停止が余儀なくされています。


こうした感染症の感染拡大を食い止めるための対策は、多くの人々が感染症にかかり命を落とす危険性を減らすためにも必要不可欠なものです。

しかしながら、一方ではこうした対策が長期化すれば今度は経済的な理由で生命を脅かされる人も出てくるはずです。


そういった意味では、誰かを救うために別の誰かを犠牲にするという選択を強いられている状況であるとも言え、これはかの有名なトロッコ問題に類似する問題であると言えます。

トロッコ問題とは?

トロッコ問題(トロッコもんだい、英: trolley problem)あるいはトロリー問題とは、「ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは許されるか?」という形で功利主義と義務論の対立を扱った倫理学上の問題・課題。

引用元-Wikipedia

大学の講義などでもしばしば扱われる有名な思考実験で、ハーバード大学の人気哲学講義で取り上げられたことでも話題になりました。

誰かを救うために他の誰かを犠牲にするべきか

トロッコ問題では以下のようなケースを考えます。

線路を走っていたトロッコが突如制御不能となった。

線路の先には分岐点があり、トロッコはそのまま進むと5人の人間がいる方向に進み、分岐先を変えると1人の人間がいる方向に進む。

さて、あなたは今この分岐先を切り替えるレバーの前に立っている。

あなたはレバーを引くべきか?


この問いには対立する2つの視点があります。

それは、最大多数の幸福を目的とする功利主義的な考えと、行動は普遍的な道徳規範に従うべきだと考えるカントの義務論です。

前者の功利主義的な考えに従えば多数の人命を救うためにはひとりの人命を奪うことは致し方ないと考え、一方で後者の義務論に従えばいかなる理由があろうとも人の命を奪うべきではないという考えに至るのです。

新型コロナウイルス対策はトロッコ問題

今、そのようなトロッコ問題的な難題が新型コロナウイルスの感染対策を判断するのにあたって突き付けられているような状況なのです。


感染症にかかることで命の危険性にさらされる可能性は、特に中高年の世代では決して無視できないものです。

こうした人たちを感染症から守るような対策は必要でしょう。


しかしながら、そのような感染症対策として人の移動を制限することが経済活動の停滞を招くことは間違いありません。

景気の低下と自殺者の数の増加には相関があるとも言われており、この選択によって間接的に命の危険にさらされる人も出てくるでしょう。

比較的若い世代がそのような危険に追い込まれる可能性があるのです。


誰かを救うためにはほかの誰かを犠牲にしなければならない、そうしたきわめて難解な問題への対処が今求められているのです。

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