ピラミッドストラクチャーにおけるMECEの重要性

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ピラミッドストラクチャーは、抽象化された結論を伝え、その結論を裏付ける具体的な情報を明示して深堀りしていくフレームワークです。

【参考記事】


このピラミッドストラクチャーを構成する上ではMECEと呼ばれるロジカルシンキングの技術が欠かせません。


そこで、この記事ではロジカルシンキングを実践するにあたって無視することのできないこのMECEについて簡単に説明させていただきます。

MECEとは

MECEMutually Exclusive, Collectively Exhaustiveの頭文字を取った言葉(日本語訳:お互いに、重複せず、全体的に、漏れなく)で、情報の全体像ををモレなくダブリなく捉えることを意味します。

(MECEについてはこちらの記事でも詳しく説明していますので、よろしければ合わせてご覧ください。)

【参考記事】

MECEができていない例

このMECEができていない簡単な例を挙げます。

一例として、以下のように食品を分類したとします。

  • 野菜類
  • 魚介類
  • (獣鳥)肉類
  • 加工食品

この分類には、穀類、果実類、いも類、豆類、キノコ類など、多くの要素のモレがあることがわかります。


また、一方で、この分類では前半の4つと最後の1つで要素の階層レベルが揃っていないことがおわかりになりますか。

最初の4つが食材の分類であるのに対し、最後の1つは加工の有無による分類であり、それぞれ切り口(視点)が異なる分類が行われています。

このような分類を行ってしまうと、要素の「ダブリ」が発生しやすくなってしまいます。

たとえば上の例だと、ベーコンは(獣鳥)肉類と加工食品のどちらにも分類できてしまうため、この2つの要素は「ダブリ」が生じている状態となっています。

MECEの基本は分類の切り口や要素の階層レベルをそろえること

このように、要素に分類する際の切り口や階層レベルが揃っていないとモレやダブリが生じやすくなります


ですから、MECE(モレなくダブリなく)を徹底する上では、この要素の階層レベルをピラミッド的に整理して全体像を捉えることが重要となります。

モレやダブリは客観性を損なわせる

では、なぜこのMECE(モレなくダブリなく)を実践していかなければならないのでしょうか。


私が思うに、MECEを行わなければならない理由、それはこのMECEが徹底されていないロジカルシンキングは客観性に乏しいものになるからだと考えています。

具体的に説明します。


ある考えについてピラミッドストラクチャーを構築しようとした場合、結論に対してその根拠を提示しなければなりません。

このとき、根拠の網羅性が欠けていたとするとどうなるでしょうか。

極端な話、結論に対して都合の良い根拠(要素)ばかりが並んでいて、一方でその結論に都合の悪い根拠は無視されている(モレがある)、このようなピラミッドストラクチャーは決して客観的なものとは言えないはずです。

これはダブリに関しても同様のことが言えます。

ある結論を下すための材料(要素)を集めていったときに、一見するとメリットのほうがデメリットよりも多いように見えたものの、実はメリットのほうは同じような意味の内容を並べているだけ(ダブリ)に過ぎなかった、こういったことも起こりえるのです。


このように、MECEが徹底されていないと一見すると抽出された要素と結論との間の論理関係は成り立っているように見えるものの、そもそもその構想要素の抽出が論理的になされていない状態を生んでしまうのです。

ですから、客観的な事実に基づき判断を下すというロジカルシンキングやピラミッドストラクチャーの考えにおいて、MECEは決して欠かすことのできないものなのです。

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