個人投資家は時価総額が小さい銘柄に投資をするべき理由

この記事は約6分で読めます。

この記事では企業の時価総額に着目した投資手法について考えてみたいと思います。


今年の株安を受けて、これから株式投資を始めようとしている方も多いかと思います。

では、株式投資を始めるにあたって皆さんなら最初にどの企業の株式を購入したいと思うでしょうか?


ちなみに私の場合、最初に購入した銘柄はソニーコマツ武田薬品工業の3社でした。

いずれの企業も皆さん一度は名前を聞いたことがあるはずで、これらの企業は時価総額の大きい企業になります。

まだ株式投資を始めたばかりの初心者の方はそれほど企業に対する知見が深くない場合も多く、そのため最初のうちはこうした名の通った大企業の会社の株を購入しがちです。


ですが、私としてはこのような時価総額の大きい企業の株(大型株)ではなく時価総額の小さい企業の株(小型株)を購入することをぜひお勧めします

それが個人投資家の強みを最も活かせる投資方法であると言えるからです。

時価総額とは

まず初めに、簡単にこの時価総額について説明させていただきます。

企業の時価総額とは、企業の「株価」×「発行済株式数」で計算されるもので、簡単に言うとその企業の企業価値を表しているものと言えます。


企業の時価総額はもちろん企業規模(資本金や従業員数、売上高など)にもある程度は比例しますが、企業規模の大きさが必ずしも時価総額の大きさに結び付くというわけでもありません。

ある企業同士を比べた場合に企業規模と時価総額が逆転しているケースというのは数多く存在します。

(参考までに、日本の企業のこの記事の執筆時点(’20/5/15)での時価総額ランキングの表を掲載しておきます。)

順位コード名称時価総額(百万円)
17203トヨタ自動車(株)20,390,471
29437(株)NTTドコモ9,857,006
39984ソフトバンクグループ(株)9,558,811
46861(株)キーエンス9,453,483
59432日本電信電話(株)9,192,209
66758ソニー(株)8,657,169
79433KDDI(株)7,454,757
84519中外製薬(株)7,334,684
99434ソフトバンク(株)6,807,320
104502武田薬品工業(株)6,324,412

時価総額が小さい企業は業績の成長余地が大きい

まず、時価総額の小さい小型株に投資するメリットとしては、企業の(業績の)成長余地が大きいことが挙げられます。


時価総額の小さい企業というのは、現在の業績規模も小さい場合がほとんどです。

ここで、仮に現在の売上高が1兆円の企業(A社)と10億円の企業(B社) があったとして、果たしてここから売上高が2倍、5倍、さらには10倍に伸びる可能性の高いのはどちらの企業と言えるでしょうか。


これは、おそらく後者(企業規模の小さいB社)のほうであるはずです。

すでに売上高が1兆円レベルに達している企業が、この先さらに売上げを5倍、10倍と伸ばしていくというのは可能性としては非常に低くなります。

一方で、まだ売上高が10億円程度の規模の会社であれば、売上高を10倍の100億円に持っていくというのも決して不可能なことではありません。


もちろん、最終的には企業の業績はその企業の実力にゆだねられています。

ですが、あくまで一般論としては、現時点での企業規模が小さい、すなわち時価総額が小さい企業のほうがこの先の業績の上積み余地が大きいと言えるのです。

時価総額が小さい企業は株価の上値余地も大きい

また、時価総額が小さい企業というのは株価の上値余地も大きいと言えます。


これは、ひょっとすると前述の話と全く同じ話に聞こえるかもしれません。

時価総額の小さい企業は業績の成長余地が大きい、だから業績に連動する株価の上値余地も大きい。


確かにそういった意味もありますが、少し違うニュアンスも含んでいます。

というのも、単純にマネーの総量が小さいという理由で株価が上昇すると言うケースが株式市場ではわりとよく見かけられる光景だからです。


たとえば、同業の売上高が100億円のA社と売上高が10億円のB社があったとして、仮にこのA社とB社の業界にとって大きなプラスのニュース(好材料)が出たとき、株価に与えるインパクトとしては当然企業規模の小さいB社のほうが大きくなります。

これは、単純に現在の事業規模が小さい分だけ好材料による業績の伸びしろを評価されやすいという理由もありますし、それとは別に同じ資金量が流入した場合における株価への影響度が大きいという理由にもよります。

絶対的なマネーの総量が小さい時価総額の小さい銘柄のほうが株価は大きく変動しやすく、またこうした特徴によってこれらの銘柄が物色対象とされ、それによって株価が大きく上昇するというケースがしばしばあるのです。


このように、小型株はその企業の持っている実力以上の株価がつきやすいという特徴があります

(ただし、この株価の変動幅が大きいというのは、株価が下落したときの下落幅も大きいというリスクでもあります。)

機関投資家は時価総額が小さい銘柄に投資できない場合がある

また、こうした時価総額の小さい小型株に投資できるのは個人投資家の強みであるとも言えます。


というのも、株式市場の参加者には個人投資家のほかにも機関投資家と呼ばれるプロのトレーダーも数多くいますが、こうした機関投資家は時価総額の小さい銘柄への投資は敬遠する傾向にあります。

機関投資家は運用資金が大きく、自身の売買が銘柄の株価形成に与える影響が大きいなどの問題があるためです。


正直な話、個人投資家が高い情報収集能力と銘柄分析能力を誇る機関投資家と勝負しようとするのはあまりにも無謀なことです。

投資を敬遠する理由として「素人がプロの投資家に勝てるわけがない」などの声をよく聞きます。

これ確かにもっともな意見なのですが、この話は(機関投資家の参入する)時価総額の大きい銘柄を投資対象とした場合の話です。

時価総額の小さい銘柄を投資対象とすることで、こうしたプロのトレーダーと同じ土俵で競わなくて済むようになるのです。


また、上述したように機関投資家は時価総額が小さい銘柄を購入できない場合が多々ありますが、もしもそのような銘柄がその後業績を順調に伸ばし、それに連動して時価総額も増加した場合には一転して機関投資家の投資対象となる可能性があります

このとき、すでに業績の向上に連動して株価が上がっている状態であるわけですが、今度は機関投資家の参入(資金の流入)という第二波が訪れることで株価はさらに上昇し、その結果として飛躍的に株価が上昇することになるのです。


こうした動きはいわゆるテンバガー(株価が10倍以上になる銘柄)のような大化け株にみられる特徴です。

株価が大化けするときというのは、業績の向上以外にもこうした様々な複合要因が重なり合うことで起こりうるのです。

時価総額は小さければ小さいほど良いというわけではない

このように時価総額の小さい銘柄を投資対象とすることには多くのメリットがありますが、ここでひとつ注意点があります。

それは、この時価総額は小さければ小さいほどよいというものではないということです。

というのもの、時価総額というのは現在の企業規模を表しているものではないからです。


上述したように株式市場では企業規模と時価総額が逆転しているケースというのは数多く存在します。

このような企業規模と時価総額の逆転現象が生じる理由のひとつに、株価というものは将来の企業価値を予測して動くものであることが挙げられます。

成長性を高く評価されている企業というのは現在の企業規模(業績)のわりに株価(すなわち株価に連動する時価総額)が大きく、逆に今後の成長があまり期待されていない企業というのは現在の企業規模のわりに時価総額が小さくなる傾向にあります。

時価総額は現在ではなく将来の企業規模の期待値によって決まるのです。


ですから、時価総額だけで投資先を判断していると、このような成長性が高いため時価総額が大きくなっている企業を見逃すことにもつながりかねません。


銘柄選定の際には企業の時価総額だけでなく必ずその企業の将来性を判断することが合わせて必要になってきます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました