部下が上司を評価することは許されないことなのか?【360度評価】

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SNSやYouTubeに代表されるように、現代の情報の流れは双方向性を持つのが当たり前の時代です。

受け手は一方的に発信された情報を受け取るのではなく、自らも情報を返したり要望を送ったりすることもできます。

また、情報のやり取りが一対一に留まらず、一対複数あるいは複数対複数で行われることも珍しくありません。


そういった現代の流れと比較すると、仕事でのコミュニケーション、特に上司と部下の間柄でのコミュニケーションというのは相変わらず一方的かつ閉鎖的なものといった印象です。

上司が常に正しいとも常に間違っているとも思いませんが、上司の部下に対する言動や行動を監視または評価する仕組みというのはないように感じます。


結局、上司と部下の関係性に問題があるかどうかは部下が体調を崩すなど何か問題が起きてから顕在化することがほとんどです。

ただ、それでは遅すぎるということです。


そういった悲劇を生まないようにするためにも、多角的な視点での評価というものが今後より必要とされるようになってくるはずです。

360度評価とは

この多角的な視点を取り入れた評価が多面評価(360度評価)です。

一般的な評価制度のほとんどが上司からの一方的な評価であるのに対し、この360度評価では上司だけでなく同僚や部下など、立場が異なる複数の評価者によって多面的に評価されることになります

多面評価(360度評価)とは、上司、同僚、部下など、立場や対象者との関係性が異なる複数の評価者によって、対象者の人物像(実態)を多面的に浮き彫りにする評価手法。多面評価を活用することで、上司には観察しにくい対象者の特性把握が可能になり、人物評価の信頼性・妥当性を高めることが可能に。また、複数の評価者の意見を総合することで、対象者にとっての納得感を高められる。

引用:クレイア・コンサルティング株式会社 多面評価(360度評価)制度  https://www.creia.jp/service/s-psreform/125/

360度評価のメリット

こうした360度評価の最大のメリットは評価の客観性が高まることです。


自身の成長につなげるという意味で、自分の現在の客観的な立ち位置を知ることは非常に重要なプロセスだと思います。

そういった客観的な評価は、現状の上司から部下への一方的な評価では案外得られにくいものです。


会社の人事評価というのはどうしても定性的な評価に頼らざるを得ません。

学校のテストの点数のように成果を簡単に定量化できるものではないからです。

しかしながら、定性評価は主観的なものになりがちです。

たとえば、上司に対しても強い物言いをする部下に対して、積極性を買って好意的に捉えるか、生意気とみて否定的に捉えるかは、個人の価値観や上司と部下の関係性・相性などによるところが大きいです。

こうした定性的な部分を個人の価値観によらず一律に評価できるシステムが確立されているところは少ないのです。


また、上司が部下のすべての行動や成果を把握しているというわけでもありません。

あまり褒められたことではありませんが、上司と部下の人間関係が良好な関係でない場合、部下は上司に対して積極的に関わろうとしないかもしれません。

けれども、上司から見えないところで部下は会社やその他の部署に対して確かな貢献を果たしているかもしれないのです。


多面評価によって、社員はあらゆる立場の社員からの自分の評価というものを知ることができ、公平感を感じられるとともに確かに受け止めなければならない事実なのだとも感じるはずです。

部下が上司を評価することは許されないことなのか?

そして、この360℃評価のもうひとつの特徴が部下が上司を評価することです。


部下が上司を評価するというのは、ある意味では大いに危険をはらんでいます。

部下からの評価を気にするあまり上司が部下に対して強く物言いができなくなる恐れもあります。

会社の組織運営の秩序を乱す可能性もあるでしょう。


ですが、それは現状も同じことです。

現状の評価制度では、少なくとも部下は自分の気持ちを抑圧されたままです。

社会人としての礼儀や周りからの目を気にするあまり、部下は上司に対して強く主張することができません

そのことが部下を苦しめている可能性もあります。


上司と部下は決して対等な関係ではありません。

上司は部下に対して言いたいことが言えますが、部下はそういうわけにはいきません。

そんな上司から部下への一方的なコミュニケーションに終始する現状をみて思うのは、会社というのは結局のところ秩序と忠誠こそが絶対的なものだということです。

会社員の評価において最も重視されるものは忠誠心であるという暗黙の了解があるのです。


私は、そんな現状に変革が起きてほしいと強く願っています。

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