「横文字」や「カタカナ用語」は意識高い系御用達の用語。
ネットを見ているとなんだかそんな風潮がありますよね。
でも、これは間違いです。
ビジネスの現場ではこうした横文字やカタカナ用語は意識の高い低いに関係なく普通に使われています。
私の勤務先は別にベンチャー企業でもIT企業でもなんでもない昔ながらの町工場的な工場ですが、そうした現場でもネット上で意識高い系と揶揄されている用語は頻繁に飛び交っています。
そこで今回は、こうした一般的には意識高い系と揶揄されているけども実際には普通に使われているカタカナ用語を取り上げていきたいと思います。
会社で普通に使われているカタカナ用語5選
エビデンス
直訳すれば「証拠」という意味ですね。
「議事録(言った言わないの証拠)」の意味で使われることもあるそうなのですが、私の周りではそういった使い方をする人はあまり見ないですね。
私も含めて私の周りでよく使われるのが「根拠」「根拠資料」という意味での使い方ですね。
「この説明のエビデンス(根拠資料)を残しておいて」などといった使い方をします。
やっぱりビジネスにおける論法の基本は結論→根拠ですので、その根拠を示すまたは残すことは非常に大事なわけです。
ですから、そういった意味ではもっとも頻繁に使われるカタカナ用語かもしれません。
コンセンサス
日本語に直訳すれば「総意」「合意」という意味ですね。
別に合意と言ったりもしますが、コンセンサスという言葉も普通に使います。
両者の意味は全く同じです。
別に両者で使い分けることなんてしませんし、使い分ける意味もありません。
野球で投手のことをピッチャーと言っても全く違和感はないでしょう?
そのくらいの感覚です。
そもそも、合意という言葉自体がややお堅い言葉ですのでビジネス以外ではあまり頻繁に使うものではないですからね。
ですから、別に合意と言おうがコンセンサスと言おうがどちらがわかりやすい、わかりにくいというものでもないわけです。
スキーム
意味としては、「枠組みを伴った計画」「体系的な計画」という意味になります。
私がこの言葉を使うときは、どちらかというと「枠組み」や「体系的」という部分を強調したいときが多いです。
仕事においては、体系化された仕組みを作ることやそうした仕組みに基づいて作業を進めていくことが大切です。
そうした仕組みの構想の重要性を強調するときに「スキーム」という言葉を使うことがしばしばあります。
バッファ
「余裕」という意味で、特にスケジュールの話をするときなどでよく使われます。(「日程にバッファを持たせる」など。)
しばしば耳にすることもある言葉ですが、意外に私の周りでは使う人は少ないですね。
私も使いません。
同じ「余裕」という意味だと、「マージン」という言葉が使われる頻度のほうが私の周辺では圧倒的に高いです。
ただ、このマージンという言葉を「余裕」という意味で使うのは実はそれほど一般的ではないようです。
もともとは工業分野で寸法上や性能上の余裕のことを「マージン」と言うのですが、その他の場面では意外に使われていないみたいですね。
私の会社では日程上の余裕などという意味でもこのマージンを使ったりする印象がありますが、工業系(製造業)の会社特有の慣習なんでしょうかね。
マスト
「~しなければならない」という意味のあのmustですね。
この言葉は単独で使われる場合もあれば、対義語である「ベター」とセットで使われることも多いです。
ビジネスにおいては、ある要件に対してそれが「マスト」(絶対にしなければならないこと)なのか、それとも「ベター」(したほうがいいこと)なのかを明確に切り分けることが大切です。
そうでないと、たとえば「ベター」だと思って仕様から外した要件が後から「マスト」だとわかって仕事がやり直しになったり、逆に必ずしもする必要のない「ベター」な要件を「マスト」だと思って膨大な時間とお金をかけてしまうといったようなことが起こりえるからです。
ですから、そんなときに「この要件はマストです」などと結論付け、仕事を進めていくのです。
むしろ日本語のほうが意味が分かりにくいことも多い
こうしたカタカナ用語に対して、意味不明だとか日本語で言えばいいじゃないかという声も聞こえてきますが、日本語で言うよりもこうしたカタカナ用語のほうが意味が限定されてビジネスシーンにおいてはなじむことが案外多いのです。
むしろ、日本語特有の曖昧で回りくどい表現のほうが、何を言いたいのか、何を聞きたいのかがわからないということも多いのです。
そうした相手への配慮を重んじるマナーや作法への意識が高い人の言葉や文章ほどかえって本質的な意味が伝わりにくいという印象を持っています。
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