業務の標準化は結果的に自分たちの首を絞めることになる

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業務の標準化は企業が今すぐ取り組まなければならない課題であると言えます。

会社には、その当人にしか仕事のやり方が分からない、いわゆる属人化業務が数多く存在していますが、この属人化業務を一刻も早く会社からなくしていくべきです。

属人化業務は仕事の聖域化を招き、業務の効率化や改善の妨げとなりうるからです。

【参考記事】


私自身もこの業務の標準化、すなわち業務の脱属人化には大いに賛同する立場で、現在躍起になってこれに取り組んでいます。

ですが、この業務の標準化をしていて思うことが、この業務の標準化を進めることは多くの社員にとってはおそらくデメリットにしかならないんじゃないかということです。

業務の標準化は結果的に自分たちの首を絞めることになる、私はそう感じてしまうのです。

業務が属人化されているからこそ今の地位がある

私が今の仕事をしていて率直に思うのが、サラリーマンというのは業務が属人化されているからこそ今の立場を維持できているのではないかということです。

要するに、会社が「この仕事はこの人の担当」という仕事が属人化されている状況を与えてくれているからこそその人の会社における価値が保たれているわけで、もしも業務の脱属人化が進められ誰もが等しく仕事の機会を得られるようになったとしたら、その人の価値は途端に低下してしまうのではないかということです。


私がこのように思ってしまうのには理由があります。

私の勤務先もこうした業務の標準化の取り組みを進めており業務フローや業務マニュアルの整備を順次進めているのですが、こうした業務フローや業務マニュアルに従えばこれまで他の人が行ってきた業務をあまりにも簡単に遂行できてしまうからです。

率直に言います。

仕事が簡単すぎるのです


仕事の難しさをどのように捉えるかについては、人によってその尺度も大きく違うため一概にこういうものだとは言えません。

ですが、同じような作業を2~3度繰り返せば勘・コツを掴めてしまう、そのような仕事は決して難しいものとは言えないはずです。

もしかしたら、ひとつの部署やひとつの仕事しか経験していない人にはそれがわからないのかもしれません。

でも、曲がりなりにも複数の部署を経験している私からすれば、今与えられている仕事がいわゆる本当に難しい仕事とは質が違うことは明らかなのです。

業務の標準化は個人の本当の価値を明らかにするものである

業務の標準化が進むことによって個人の経験知の価値は低下することになります。

業務の標準化とは、そうした各自の経験や知識を会社に帰属させることを求めるものだからです。

つまり、これまで経験に物を言わせて仕事をしてきた人というのは今後その立場が危ぶまれることになるのです。

仮に業務の標準化が確立され、個人の経験知が会社のナレッジ(組織にとって付加価値の高い体系的にまとめられた情報)として共有されるようになったとすれば、経験の多さというのはもはや大きな武器ではなくなるからです。


もちろん、専門性が高く高度な知識や経験を要する仕事であれば、単なるナレッジだけで対処することは難しいでしょう。

その経験に裏付けされた確かなスキルを必要とする仕事というのは間違いなく存在します。

ですが、決して高度な知識を必要とするわけではない2〜3度繰り返せばあとはルーチンワークと化すような仕事であれば、標準化されたフローやマニュアルさえ整備されていれば誰にでも実行可能なものとなるのです。


個人の価値というのはその人の代替の難しさであると言えます。

業務の標準化を進めることで、各自が担当している業務の本当の難しさが可視化され、結果的にその仕事を担当する人の代替の難しさも明らかになります。

ですから、業務の標準化は個人の本当の価値を明らかにするものであると言えてしまうのです。

業務の標準化は自分たちの首を絞めることになる

この業務の標準化や効率化を進めた先に何が待っているのかを会社はあまり具体的に話そうとはしません。

ですが、素直にこうした業務の効率化を会社の業績に結び付けるのであれば、この取り組みの最大の目的は人件費の削減であると言えるでしょう。


それが残業代を減らす程度の目標であればまだいいのですが、人員の削減や置き換えを目指すものであれば社員の雇用にも大きく関わってくる話です。

そして、その目的を達成することがそう難しくないだろうことは、私がこの取り組みを進めてきた感覚として確かにあります。

従業員を単なる仕事をするだけのワーカーとして捉えるならば、その置き換えは極めて容易なことであるはずだからです。


ですから、業務の標準化を行うことは、結果的には多くの社員にとって自分たちの首を絞めることにつながってしまうと言えるのです。

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