思考実験から考える人間の合理性と感情【最終提案ゲーム】

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仕事においても日常生活においても答えのない問題というのはもちろん存在します。

こうした答えのない問いに対して、なぜ答えがないのか、あるいは答えが分かれる根底にはどういった判断や思考が働いているのか、そうやって思考ロジックを追求することは客観的な思考力を鍛えるという意味で大変有意義なものです。


有名なトロッコ問題に代表されるような思考実験を通じて、人間の合理性と感情について考えてみたいと思います。

(トロッコ問題に関してはこちらから。)

【参考記事】

明日から給料1万円アップ!?でも同僚は2万円アップ!?

次のような思考実験を考えてみます。

ある日、会社の人事から以下のような提案を受けたとします。

「明日からあなたの給料(月給)を1万円アップします。
 ただし、あなた以外の同僚の給料は一律2万円アップします。」

あなたはこの提案を受け入れますか?

(この提案を受け入れる権利はあなたにだけあります。同僚たちはあなたがこの権利を行使したことも拒否したことも今後一生知ることはありません。)

A.受け入れる
B.受け入れない

(こちらの内容は「最終提案ゲーム」などと呼ばれる思考実験をビジネスケースにオマージュしたものです。興味がある方はぜひ「最終提案ゲーム」で検索してみてください。)

合理的であるべきか?それとも感情に従うべきか?

この問いの言わんとしてることはおそらくお分かりになられたかと思います。

この命題は人間の合理性に対する思考実験です。


「A.受け入れる」を選ぶ人の思考はこうです。

単純にあなたが得られる利益だけを考えれば、給料が突然1万円も上がるわけですから自分にとって得であることは間違いありません。

ですから、合理的に考えれば素直に提案を受け入れるべきです。


一方で「B.受け入れない」を選ぶ人の思考はこうです。

確かに自分の給料は上がるものの、同僚たちの給料はあなた以上に上がるわけです。

つまり、確かに自分は得をしているわけですが、同僚との比較という相対的な視点でみると損をしているように思えてしまうわけです。

ですから、感情的にはこの不公平な提案を受け入れるわけにはいかないのです。

人間は理性よりも感情で動く

こうした思考実験に代表される行動経済学では、人間は理性ではなく感情で動くと考えられているそうです。

日本の企業の年功序列や終身雇用はその考えに従った最たるものです。

個人の能力や実績によらず、年齢や勤続年数に応じて一律に評価することである種の公平感を与えています。


社員にこの公平感を感じさせることは非常に大切です。

会社における個人の能力や価値は全然違うはずなのに、あたかも全ての人に等しく価値があると感じられるように会社は気を遣わなければなりません。


人間をマネジメントするというのは、そういう難しさを含んでいるのです。

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