【銘柄紹介】グレイステクノロジー(6541)~マニュアルの品質向上と効率化を目指す

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私が考える株式投資におけるキーワードは合理化です。

ビジネスの世界には昔ながらの古い体質だったり仕組みというのが数多く残っています。

ですが、こうした旧体質の仕組みや制度もいずれは効率化や合理化が進むはずで、その変革のときこそが絶好の投資チャンスと言えます。

ですから、普段から身の回りの問題や課題に目を向けていくことが株式投資を続けていく上では非常に大切です。


今回は、企業向けのマニュアルの作成およびコンサルティングを手掛けるグレイステクノロジー<6541>を例にとり、会社における仕事の合理化の取組みとその実情について考えてみたいと思います。

マニュアルの品質向上と効率化を目指すグレイステクノロジー

「日本の製品は一流だが、マニュアルはジョーク」

米国の新聞紙「ニューヨーク・タイムズ」において日本製品はこのように評されたこともあると、グレイステクノロジーの代表取締役の松村会長は語っています。


グレイステクノロジー<6541>はマニュアルの作成およびコンサルティングを手掛けるマニュアル専門会社です。

上場こそ2016年(東証マザーズ上場、東証1部への上場は2018年)と最近のことですが、創業は1984年で30年以上の歴史を持つ企業です。

2016年の上場から順調に業績を伸ばし続けており、 収益性も年々高まっています(下図)。


図:グレイステクノロジー<6541> 業績推移


上の業績推移のグラフからもわかるように、同社の最大の強みはその営業利益率の高さです。

2020年3月期には売上高19億円に対して営業利益9.5億円と、営業利益率は実に50%にも達します。

同社のビジネスモデルの強固さを示していると言えます。


このような確かな成長を背景に、株価も2016年12月の上場後の初値594円 (調整後株価)から今年6月には6,640円をつけ、上場から約3年半でテンバガー(株価10倍)を達成しています。

取り残されていたマニュアル作成の合理化

グレイステクノロジーのターゲット(主要顧客)はB to Bの専門性の高い産業機械(建設機械や工作機械、半導体製造装置)メーカーですが、こうした産業機械のマニュアルというのは統括する部門が特にあるわけではなく、製品設計者が片手間に作っているというのが多くの会社の実情なのだそうです。

(ここでのマニュアルとは、ユーザー向けの取扱説明書のことです。)

確かに、マニュアル作成の専門部署というのはあまり聞きませんし、(産業機械メーカーではありませんが)私の勤務先の会社にもそのようなマニュアル作成の専門部署というものはありません。

各製品のマニュアルはそれぞれの製品の関係者が作ることになりますが、マニュアルの作成ルールなどが特に取り決められているわけでもなく、そのため製品ごとに表記や表現も異なっていたりします。


産業機械の業界でも似たような状態らしく、産業機械のマニュアルはメンテナンスなどの複雑な作業工程も多いため分量も多くなりやすく、中にはページ数が数千ページに及ぶマニュアルとなることも珍しくないそうです。

また、昨今の製品はIT化も進んでいます。

おのずとマニュアル制作に要求されるスキルも時間も増大してきているのです。


しかしながら、その一方でマニュアル作成の合理化は進んでおらず、特にマニュアル作成の訓練を積んだわけでもない製品設計者に任せきりになっているというのが多くの会社の実情なのだそうです。

いわゆる属人的な作業となっているわけです。


グレイステクノロジーはそこにメスを入れました。

同社はただ単にマニュアルを制作するだけではなく、同社が開発した「e-manual」という基幹システムを用いることでマニュアルのモジュール化(目次ごとの部品化、ブロック化)を実現させています。

これにより、既存のマニュアルをモジュール単位で容易に流用できるようになり、マニュアル品質の均一化や作成工数の削減を図ることができるということです。

合理化が進んでいない領域に着目した投資先の探し方

モジュール化とは、新しい製品や部品を設計する際に、一から新しく設計するのではなくそれぞれの要求機能に対して標準化された製品・ユニットを組み合せることで製品または部品を開発していく手法です。

多くの企業では、モノづくりのプロセスではこのようなモジュール化の考えを取り入れています。

製品設計においては、モジュール化を図り、また設計ルールや設計標準を定めて作業が属人的にならないように取り組んでいるわけです。


ところが、これがマニュアルの話となるとそのような標準化の動きが追いついていないのです。

表記や表現のルールの取り決めもない、用語の統一性もなく設計者の経験や勘所に委ねられている。

これがマニュアル制作現場の実情なのです。

実際にはマニュアルも製品の一部であるのにもかかわらずです。


このように、会社には合理化が進んでいる領域もあれば、合理化があまり進んでいない(追いついていない)分野や領域も数多く存在します

このような領域に着目し、その問題解決に取り組む企業への投資を考えることは銘柄選定のアプローチとして非常に有効な方法であると私は考えています。


(実際の投資判断にあたっては業績動向なども加味した上での慎重な判断が求められますので、その点は十分ご注意ください。)

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