人事評価の自己評価を簡単に書き上げる方法【実践編②】~人事評価に使うフレーズは「成果」「能力」「情意」の3つの基準に対応させる

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(本記事は以下の記事の続きとなります。こちらの記事も合わせてお読みください。)

【参考記事】


人事評価の自己評価のコツはQ&Aをフレーズ化して書くことです。

それによって文章構築の手間も省け、何から書き始めればよいのかわからないといった悩みからも解放されます。

また、人の主観だったりそのときの気分などにも左右されにくく、客観性の高いものとすることができます。

人事評価を書き上げるのに苦労している方にはぜひおすすめしたい方法です。


一方で、たとえこの方法で人事評価を書いていくにしても、やはり自分自身の成果や行動の具体例を述べることは必要です。

もちろん、その書く内容が本筋から外れたものとならないように要求に対する回答をフレーズに落とし込むわけです。

ですが、具体的にそのフレーズがどういった要求に対応したものかがわかっていないと、そこに書かれる内容の論点もズレたものとなってしまうと可能性があります。

ですから、ただ与えられたフレーズに当てはめて書くだけではなく、そのフレーズが持つ正しい意味は理解しておきましょう


そこで、本記事では人事評価制度における一般的な評価の基準(尺度)と各フレーズの対応関係について説明させていただきます。

人事評価の評価基準

一般的な人事評価制度における評価基準は以下の3つに分類することができると言われています。

【人事評価制度における一般的な評価基準】

  • 成果評価
  • 能力評価
  • 情意評価


成果評価とは、社員が挙げた業績や活動実績を評価するプロセスです。

社員の業務や取組みに対して目標レベルを設定し、その目標の達成度を定量的、または定性的な観点から判断します。


能力評価とは、社員の業務遂行スキル(技術や知識)を評価するプロセスです。

社員の役職や等級、または与えられている課題に対して、発揮した能力や行動の妥当性を判断します。


情意評価とは、社員の仕事に対する態度や意欲を評価するプロセスです。

協調性や積極性など、必ずしも成果や能力として表れない個人の資質を判断します。(ただし、曖昧かつ主観的になりやすい評価でもあります。)


呼び方は多少異なるかもしれませんが、多くの会社が同じような基準を人事評価のにおいて用いているはずです。

ですから、人事評価を書く際に使うフレーズもこの3つに対応したものとすることが重要です。


ちなみに、私が以前ご紹介させていただいたフレーズはこの観点をふまえたものとなっています

各フレーズとこの3つの評価基準との対応関係について、以下で説明させていただきます。

フレーズと評価基準の対応関係

前回ご紹介させていただいたフレーズを組み合わせて構成した文章がこちらになります。

【課題の目標を達成できた場合】

課題の目標は達成できました。それが達成できたのは〇〇によるところが大きいと思います。具体的には〇〇ということがありました。

【課題の目標を達成できなかった場合】

課題の目標は達成できませんでした。それが達成できなかったのは〇〇によるところが大きいと思います。具体的には〇〇ということがありました。そのため〇〇を行いましたので、今後この方法で課題に取り組みます。


この文章の中で使用されているフレーズはきわめてシンプルなものですが、これらのフレーズだけで上で述べた一般的な人事評価の3つの基準に対する回答を網羅できています

(私が「最低限フレーズはこれだけで構わない」と話しているのはそのためです。)


フレーズと人事評価基準との対応関係を以下に示します。

【フレーズと人事評価基準の対応関係】

「課題の目標は達成できました(達成できませんでした)。」

成果評価に対する回答


「それが達成できた(達成できなかった)のは〇〇によるところが大きいと思います。」

能力評価に対する回答


「そのため〇〇を行いましたので、今後この方法で課題に取り組みます。」

能力評価または情意評価に対する回答


「課題の目標は達成できました(達成できませんでした)。」 のフレーズは成果評価に対する回答です。

この中で、課題の目標に対する実績や達成レベルを詳しく述べます

なお、この文章は完全な定型文となっていますが、実際には前段に「目標の〇〇%に対して実績は〇〇%です」だったり、「〇〇と〇〇は達成し、〇〇は未達に終わりました」といった具体的な数値や内容を書くことが望ましいです。

(私の勤務先で使われている人事評価表ではこのような取組み内容を記述する欄とは別に課題と実績を記載する欄があるため、そちらに具体的な案件や数値目標を記載しています。)


「それが達成できた(達成できなかった)のは〇〇によるところが大きいと思います。 」のフレーズは能力評価に対する回答です。

このフレーズでは、業務を達成することができた要因、または達成に至らなかった要因について、自身の能力的な観点から述べるようにします。

一般的には、「キャリア(経験)」「プロセス(進め方)」「スピード(機敏さ)」「チームワーク」「クリエイティブ(創造性)」といった尺度のうち、業務の遂行に貢献した、または不足していたと考えられる部分について考察します。

また、その考察の妥当性を示す具体的な事例も述べることも重要です。

(「具体的には〇〇ということがありました。」のフレーズがそれに該当します。)

場合によっては、この中で書かれている内容というよりも、ここでの考察や分析内容であなたの論理的な思考力(上で言えば「プロセス」)が判断されることもあります。


最後に、「そのため〇〇を行いましたので、今後この方法で課題に取り組みます。」のフレーズは能力評価または情意評価に対する回答です。

このフレーズは、どちらかというと目標を達成できなかった場合のための側面が大きいのですが、このように目標が未達に終わった場合には、目標が未達に終わった要因の分析とその改善策を示すことが何よりも重要です。

場合によっては、目標を達成できなかったことによるマイナス評価をこの部分で覆すこともできるでしょう。

また、このように課題の達成に向けて前向きな行動や姿勢を示すことは情意評価の向上にもつながるものです。

(ただし、前述の通り情意評価は客観性に乏しいため、私はこの評価に対しては否定的です。そのため、可能な限りこの部分は能力評価に対する回答(具体的なプロセスの立案など)とするべきです。気持ちの面だったり意気込み的なところを前面に押し出すべきではないというのが私の個人的な見解です。)


このように、各フレーズに求められる観点を理解することで、そのフレーズに入れ込むべき内容やポイントも見えてくるのではないでしょうか。

いよいよ次回(最終回です)では、このフレーズを用いた人事評価の具体的な記述方法についてご説明させていただきます。

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