【銘柄紹介】サラリーマン視点での企業分析 #06~企業のニーズにマッチした高級人材派遣で好業績を謳歌するベイカレント・コンサルティング(6532)

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私が考える株式投資におけるキーワードは合理化です。

この合理化を考えたときに、企業にとってもっとも合理化が難しいのはおそらく人材でしょう。

より新しいもの、より優れたものに置き換わっていくのが世の常ですが、人材に関してはそういうわけにもいきません。

年功序列や終身雇用の考えが根強い日本の会社においては、むしろそのような考えとは真逆で古いことが良いことと捉えられる傾向にあるのです。


しかしながら、世の中のニーズが多様化し、またそれが刻一刻と変化していく現代において、企業はそうしたあらゆるニーズに対応した商品やサービスを逐次生み出していかなければなりません。

そのためには、クリエイティブかつ多種多様なスキルを持つ人材が求められます。

しかしながら、多くの企業における人材マネジメントはそのような人材を輩出できるものとはなっていないように思えます。

新卒で採用した社員を一から育て上げてその会社の仕事のやり方を覚えさせるといった日本の伝統的な社員育成の方法は、もはや合理的なものとは言えなくなってきています。


企業は優れた人材を求めています。

企業が求めている優れた人材とは、自社の社員ができる仕事をサポートしてくれる人材ではなく、自社の社員にはできない領域をカバーしてくれる人材です。

多くの企業がそんな人材を求めているはずです。


ベイカレント・コンサルティング<6532>は企業の旺盛なIT投資に対するニーズのもとに好業績を謳歌しています。

一部では「高級人材派遣業」とも揶揄される同社のビジネスモデルですが、私には同社のこのビジネスモデルこそがもっとも合理的な形である気がしてなりません。

DX案件のコンサルタントで好業績を謳歌するベイカレント・コンサルティング

今、DX投資が活況に沸いています。

DXとはデジタルトランスフォーメーションのことで、経済産業省が発表した資料によると以下のように定義されています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」

引用元: 経済産業省 DX推進ガイドライン Ver.1.0(平成30年12月)


よく聞かれるIT化などはいわばこのデジタルトランスフォーメーションの一部であり、デジタルトランスフォーメーションは単なるIT化のステップに留まらず、その先の既存のビジネスの形そのものを変えたり、全く新しいビジネスを創造することを目的とするものです。


この分野のコンサルティングに強みを持つのが、日系総合コンサルティングファームのベイカレント・コンサルティング<6532>です。

戦略・業務コンサルからSIまでワンストップで提供している点や、高い稼働率、クライアント先に常駐するスタイルなどが同社の特徴です。

近年は企業のDX投資への関心の高まりを受けてDX関連のコンサル案件が増えており、それが同社の業績にも大きく貢献しているようです。


上場直後こそ業績の下方修正を発表して投資家を失望させましたが、その後は業績を拡大させ続け、特に直近の業績の伸長率には目覚ましいものがあります。

2020年の売上高は5年前から6倍近くにまで拡大、利益に至っては同じく8倍近くにまで拡大しています。

つい先日発表された直近四半期の業績も素晴らしく、コロナ禍をものともしていないことがわかります。


図:ベイカレント・コンサルティング<6532> 業績推移

高級人材派遣に対する賛否

実のところ、このベイカレント・コンサルティングに関して、同社を揶揄する声も少なくありません。

そのひとつが、同社のビジネスはいわゆる伝統的なコンサルティング業というよりは高級人材派遣業だというものです。


コンサルタントと聞いて一般的に思い浮かべるイメージといえば、ロジカルシンキングやソリューション知識を駆使してクライアント企業の経営戦略を行うなどといったものではないでしょうか。

そのようなイメージと比べると、同社のコンサル業務はクライアント先への常駐案件が多く、そのような案件はクライアント先の働き方に沿って一緒に実務をこなしていくこと(実行支援)になるため、コンサル業というよりは派遣業に近いです。

ですから、そのことを揶揄して「(同社は)コンサルではなく高級派遣」「コンサルを名乗るな」といった声が挙がることがあるのです。


しかしながら、これはあくまで同業者、またはこのようなコンサル業界への就職・転職を希望する人たちから同社をみたときのマイナス点でしかありません。

仕事を頼むクライアントからすれば、同社の業務形態は願ったり叶ったりなことなのです。


同社には優秀な人材を採用または育成するノウハウがあるようで、一定のスキルを有する地頭の良い人材を高級派遣として提供できる体制が整っています。

クライアントはそのような優秀な人材を必要なときに自社の従業員のように(単価を考えれば自社の社員以上に)働かせることができる、それでいてその用が済んだら切り捨てることができる、クライアントにとってこれほど有難いことはありません。

特に、企業があまり知見を持たないITやデジタル領域に強みを持つ人材であれば尚更です。

また、プロジェクトマネジメントなどは、地頭が良く俯瞰的な視点を持ち、一定の調整力やコミュニケーション能力を持つ人材であれば特別なスキルを有していなくともできてしまいます。


このような高級人材を派遣してくれる同社のサービスは多くの企業にとって非常に有益なものなのです。

企業のニーズにマッチしたビジネスモデルと言えるでしょう。

合理化で正社員は不要になるのか

withコロナ時代が始まり、働き方は大きく変わろうとしています。

今や勤務形態のひとつとして市民権を得たテレワークですが、このテレワークの普及によって一部では「正社員不要論」の声も出始めているようです。


社員にテレワークで仕事を行ってもらいその成果で社員を管理するという状況は、実質外注のフリーランスに仕事を依頼しているのと変わりありません

それならば、固定費もかからず、また成果にコミットする意識も高いフリーランスのほうが有用ではないかという考えは確かに一理あります。


業界によっても違うのでしょうが、今後そういった考えが広まる可能性は十分に考えられます。

それで正社員が不要になるかどうかまではわかりませんが、正社員に求められる能力やその水準が変わってくることは十分考えられるでしょう。

それによって私は今の会社を追われることになるかもしれません。


ですが、私はそのことを悲観的に捉えてはいません。

今後、企業の合理化が進んでいくことで私は職を追われることになるかもしれませんが、そのような時代が来れば私の投資先の企業は潤うはずで、それによって私の資産は増大するはず、そのようなビジョンを持っているからです。

株式投資は私の人生のリスクヘッジになっているのです。

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