後輩を「くん」付けで呼ぶのは失礼?

この記事は約4分で読めます。

皆さんは、職場の後輩の名前を呼ぶときにどのように呼んでいるでしょうか?

私は、以前までは基本的に、男性の後輩に対しては「くん」付け、女性の後輩に対しては「さん」付けで呼ぶことが多かったのですが、今では先輩・後輩、男性・女性に関係なく「さん」付けて呼ぶように統一しています。

それは、後輩を「くん」付けで呼ぶのは少し前時代的であると考えるようになったからです。

場合によっては、後輩を「くん」付けで呼ぶことは失礼にあたるかもしれません。


この記事では、私がそのように考える理由についてお話しさせていただきます。

後輩を「くん」付けで呼ぶのは失礼?

私がかつてそうであったように、自分よりも年齢が下の社員に対しては「くん」付け、または呼び捨てにして呼ぶ人は多いかと思います。

「くん」付けと呼び捨てでも印象はまた違うような気もするでしょうが、どちらも自分よりも目上の人に対して使うことはほぼないという意味では同じ扱いになります。

このように、「くん」付けは少なくとも自分よりも目上の立場ではないと思っている人に対して使われる言葉なわけですが、私は後輩のことを「くん」付けで呼ぶのは少し注意が必要だと考えています。

それは、相手の年齢だけで目上・目下を判断している印象を与えかねないからです。


年功序列の考えがいまだ根強く残っていてる日本の企業においては、年齢や勤続年数が絶対的な価値のように思えてしまいがちです。

ですが、多くの日本の企業ではいまだに年功序列の風潮が強く残っているとは言え、上司と部下の年齢の逆転現象は昨今ではさほど珍しいことではありません。

今後、こうした逆転現象はますます増えてくることかと思います。

自分の後輩がある日突然、自分の上司になることも十分ありえるのです。

そうなったとき、これまでただ自分よりも年下というだけで「くん」付けで呼んでいた後輩のことを突然「さん」付けで呼ぶようになるというのも、なんとなく決まりが悪いような気がします。


ですから、私は相手が自分より年上であるかどうか、または先輩か後輩かに関係なく、誰に対しても「さん」付けて呼ぶことを意識するようにしています。

転職が一般的になると先輩・後輩という感覚は薄れる

私が職場のどの同僚に対しても「さん」付けで呼ぶようになった理由のもうひとつに、私が転職したことが関係しています。

そもそも、このような先輩・後輩の関係が成り立つのは、日本企業の大きな特徴である新卒一括採用によるところが大きいような気がします。

会社に勤める社員の大半がその会社に新卒で入社してきた人たちで占めるような職場では、それぞれの社員の経験やスキルも似たようなものになりがちです。

また、職場にいる社員が自分の先輩と後輩のどちらにあたるのかについても、入社年次から容易に把握することができます。

このような職場においては、先輩・後輩の関係が何よりも重要視されやすいのです。


ですが、新卒入社の社員と中途入社の社員の間では、このような先輩・後輩の関係の境界線は曖昧です。

新卒入社の人と中途入社の人では、入社年次と年齢の関係が大きく逆転することも全く珍しくありませんし、仕事での経験や保有しているスキルも大きく異なります。

ですから、新卒入社の社員と中途入社の社員、あるいは中途入社の社員同士の先輩・後輩の関係を単純に年齢だけで判断するわけにはいかないのです。


また、そもそも会社の同僚の年齢を把握すること自体がそこまで容易なことではありません。

コンプライアンス的な観点から従業員の年齢を開示している企業はあまり多くないかと思います。

私自身も、このたび転職したことで新しい会社の社員の一員になったわけですが、実際のところ会社にいる同僚の大半の人たちの年齢は把握できていません。

また、それはおそらく同僚の方々も同じで、彼らも私の年齢を正確には把握できていないでしょう。

ですから、私も同僚の方々の名前を呼ぶときには「さん」付けで呼ぶようにしていますし、同じように同僚の方々も、たとえ明らかに私よりも年上の方々でさえも私のことを「さん」付けで呼んでくれています。


今の時代、転職はさほど珍しいものではなくなってきていますが、このように転職が一般的になってくると職場の先輩・後輩という感覚は徐々に薄れていくかと思います。

それに伴い、同僚のことを「さん」付けで呼ぶ風潮も高まってくると思います。

大切なのは誰に対しても誠意をもって接すること

一つ断っておきたいのは、相手を「くん」付けで呼ぶことや呼び捨てにすること自体が必ずしも相手に対して失礼な行為だということでは決してありません。

親しい間柄の同僚に対して「くん」付けや呼び捨てにすることはいたって自然なことです。

実際、会社によってはフランクな人間関係を築くためにも先輩や後輩に関係なく呼び捨てやニックネームで呼び合う文化もあるそうです。

場合によっては、あなたが後輩のことを「さん」付けで呼ぶことで、後輩は自分があなたに距離を置かれているのだと感じてしまうこともあるかもしれません。


大切なのは、相手が先輩か後輩かなどに関係なく誰に対しても誠意をもって接することだと思います。

少なくとも、これからの時代、先輩に対してと後輩に対してとで露骨に言葉遣いや態度を変えるようなことは慎むべきでしょう。

コメント

  1. ねこキング より:

    目下の者、殿「目上の者から目下の者へは、身分制度がはっきりしていた時代では。江戸末期、遡ること 
    このままでは身分の違いにより対等な議論が行え、しかし。を付けて呼んでいました」様「から目上の者へは
    を付けるように)」くん(君「から」主君」「君主「どんな身分の者にも共通して敬う人物として、ないと考え
    、かつ相手にも敬意を込められると、対等な立場となり、を付けることで)」くん(君。「なったとのことです
    。あの吉田松陰が考えたと言われているようです。
    もう少し勉強してから、発言しましょうかwww

  2. 超メカおんち より:

    「くん」付けの是非については、一つに年齢的な部分で区別して使われていたことも言えますが、男性にだけ適用されているという事にも影響があります。
    例外1:
    違和感という部分では昨今でも国会議員の議長が、役職や肩書がなければ「くん」付けで呼び出すというシーンもあります。(こちらは男女にかかわらずですが…)
    例外2:
    芸能界等では先輩に対しても、男性アイドルに対して「くん」付けしているのも違和感でしかないです。
    上記の例外はともかく、一般的には「くん」付けは年齢的な上下関係や役職の上下に依存する部分が大きいのは確かですが、女性に対して適用されないのは今の時代にあっていないように思いますが、古き良き事態を尊重する組織なら仕方がないとも思います。
    実はプライベートな出来事ですが、ある30歳代の男性が20以上離れている私に対して「くん」付けで呼ばれたときは、いい意味でショックでしたね…。年齢を暴露してからしどろもどろになったのは申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

タイトルとURLをコピーしました