なんでもかんでも口頭で伝えようとするのはやめてほしい

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私は最近では会社での業務報告のほとんどをメール(文章)で行うようになりました。

もともと対面での会話は大の苦手でしたが、最近では会社にテレワークが導入されて対面でのコミュニケーションが取れないケースというのも出てくるようになりました。

ですので、それを口実にしてひたすら文章でのやりとりに終始しています。


こうした文章でのやり取りのメリットが相手の思考が目に見える形でわかることです。

これは、裏を返せば個人の思考力の高さが可視化されるということでもあります。

若いころはメールを書くのが嫌いだった

私は、若いころメールを書くのがひどく苦手でした。

それは、大きく以下の3つの理由によるものです。

  • あいまいさが許されない
  • 上司に自分の書いた文面がみられる
  • 記録が残ってしまう

いずれも文章で物事を伝えようとするときの大きな特徴です。

思考を文章に落とし込むことは難しい

口頭で話を伝える場合には、断片的な情報をただ羅列するだけでも相手がその発言の意図や相互関係、不足分を補完してくれたりします。

一方で、文書で伝えようとするとそうはいきません。

自分ひとりで話の展開や論理関係を構築しなければならないのです。


ですから、このように思考を文章化することはあいまいさが許される口頭での伝達よりも難しいと言えます。

文章よりも口頭のほうが内容が伝わりやすいと言う人もいますが、それはその人の文章力の無さに起因するケースも往々にしてあるはずです。

未熟さが可視化されてしまうのが恥ずかしかった

ですから、まだこうした能力が十分に養われてない若手時代には文章を書くことは苦手な作業でした。

また、そうした未熟な私が書いた未熟な文面を上司や同僚にみられることも大きな苦痛でした。

自分の未熟さが可視化されて、記録として残ってしまうからです。

優秀な人も無能な人も口頭でのコミュニケーションを重宝する

おそらく、優秀な人も無能な人も口頭でのコミュニケーションを重宝します。

ただし、それは前者が口頭でのコミュニケーションのほうがリアルタイム性やレスポンス性が高く時間あたりの情報提供量も多いことなどに価値を置いているのに対し、後者は単に思考を文章に落とし込む能力がないからに過ぎません。


両者の違いは相手の話を聞けばすぐにわかります。

要点を抑えて論理立てて話を展開できる人と断片的な情報を無造作に与える人という大きな違いがあるからです。

文章力を身に着けるステップを飛ばすべきではない

ですから、この文章力を身に着けるステップは決して飛ばすべきではありません。

まず文章化の作業によって思考をアウトプットする能力を磨き、それから徐々にリアルタイム性や情報量に優れる口頭でのコミュニケーションに展開していくべきです。

(※別に文章である必要はなく、箇条書きでもマインドマップのような形でも構いません。大切なのは思考を整理して可視化することにあるはずです。)


また、そもそも口頭でのコミュニケーションがリアルタイム性に優れるとは言っても、話を聞いて瞬時に優れた返答をするというのはなかなかできることではありません。

ですから、相手の立場に立ってみても相手に思考を整理させる時間を与えるべきで、それはやはり文章によるコミュニケーションのほうが優れているはずです。


結局、なんでもかんでも口頭で伝えようとする人というのは、思考を整理する能力がないか、もしくはそういった思考の整理を必要としない仕事しかしてこなかった人たちなのだと私は感じています。

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