異動したいなら正直な理由を伝えるべき

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今の職場から別の部署に異動したい。

そう思っている会社員の方は意外と多いかもしれません。


しかしながら、自ら異動希望を届け出るというのはなかなか難しいものです。

会社に異動願いを出すからにはその理由をきちんと伝えなければなりませんが、果たしてその理由を正直に書いてよいものなのかどうかは悩むところです。

特に、今の部署が嫌でそこから抜け出したいなどといった消極的な理由では、会社にネガティブな印象を与えかねません。

そういった理由から、実際の本心とは異なるもっともらしい理由を書く方も多いことでしょう。


ただ、これは会社や人事視点ではなく私個人の意見になってしまい恐縮ですが、私自身は異動希望を出すときには正直な理由を伝えるべきだと考えています。

その理由について、お話しさせていただきます。

異動したいなら正直な理由を伝えるべき

異動希望を出すにしても、その理由が消極的な理由では会社にネガティブな印象を与えかねません。

私は過去に自ら異動希望を届け出た経験がありますが、当時の私も消極的な理由では異動希望は通りにくいと考え、本心(今の部署にいたくない)とは別のもっともらしい理由を考え、それを希望理由として書きました。

それが功を奏したのかどうかはわかりかねますが、 無事その希望が叶って異動となり、現在もその異動先の部署で働いています。

ただ、そのような体験をしている身ではありますが、それでも私はやはり異動希望を出すときには正直な理由を伝えるべきだと思っています。


その理由のひとつは、やはり正直な気持ちを書いたほうがその本気度が伝わると思うからです。

人事の人たちも、異動を希望する理由(今の部署が嫌)くらいは内心わかっているはずです。

もちろん、社会人のマナーとして表向き上は前向きな理由を述べる、本音と建前を使い分けるということもとても大事なことです。

ですが、本当の気持ちを書かずにもっともらしい理由を書くだけでは、その本気度や切迫度が伝わってこず、かえって異動が遠のいてしまうような気がするのです。


また、今の部署にいたくないという理由を伝えることが会社にネガティブな印象を与えかねないという話ですが、 必ずしもそのような理由をネガティブなものと捉えるべきではないのかもしれません。

それは、人間関係の問題は一概にその人だけの問題とは言えないからです。

人間関係の問題は個人の問題ではない

私は、仕事がうまくいかない理由として、それは本人か周りの人たちのどちらかに問題があるというようなことを以前にお話しさせていただいたことがあります。

人間関係、たとえば上司と部下の関係が上手くいっていないのであれば、それは上司とその部下のどちらかに問題があるというような意味です。

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しかしながら、この考えは正しくないそうです。

かつてリクルートで人事採用を担当していた曽和さんという方がある番組で話されていましたが、人間関係の問題の原因の多くは個人の問題ではなくやはり個人間の相性なのだそうです。

曽和さんは、過去に会社で心を病んでしまった人たちの特徴や傾向を調べていたそうですが、個人のパーソナリティだけを見ていてもそれは見つからなかったそうです。

一方で、その個人と上司それぞれのパーソナリティを調べてみると、確かにこの2人ではうまくいかないだろうな、つまりどちらか一方に原因があるのではなくその相性の悪さによって問題が引き起こされているといったことがわかってきたそうです。

人間同士の相性は「ケミストリー」

この人間同士の相性というのは、おそらく我々が思っているよりもはるかに根深いものです。


人間同士の相性のことを英語では「ケミストリー(chemstry)」と言いますが、この英語のケミストリー(化学反応)という言葉には人間同士の相性というものの重みがうまく表現されています。

すなわち、尖った人間同士でも相性次第ではうまく機能い合うこともあるし、逆に無害な人間同士であってもお互いが交わることで大きなトラブルを引き起こしかねないということです。


「水酸化ナトリウムと塩酸は個別にはどちらも激烈なもので、金属をも溶かす力があるが、これを化合すれば食塩となって普段の台所で役に立つ。一方、石炭と塩化アンモニウムはともに激烈な作用をもつわけではないが、このふたつを化合すると気体アンモニアとなり、人を卒倒させる」(現代語訳『文明論之概略』福澤諭吉著、齋藤孝訳、ちくま文庫、153頁)

引用元:幻冬舎GOLD ONLINE サラリーマンの人事…「優秀な社員がリストラされた」理由


人間関係はまさにケミストリーそのものです。

人間同士の相性は決して軽視されるべきものではないのです。

個人と職場の相性はもっと考慮されるべき

日本企業の多くの雇用体系はメンバーシップ型雇用と言われており、毎年一定数の新卒者を採用することが先に決まっていて、仕事は後から割り振られていきます。

(一方でその対となるのがジョブ型雇用で、これはあらかじめしてもらいたい仕事が決まっていて、その仕事に適した人材を雇用していく雇用形態です。)


こうしたメンバーシップ型雇用の日本企業においては、個人と職場の相性はあまり考慮されません

そもそも、希望する部署に配属されないということも会社によっては十分ありえますし、たとえ希望の仕事につけたとしても、前述の通り人間関係でうまくいかないということもありえます。

仕事内容、あるいはその周りの人間との相性が合うかどうかは、ある種出た所勝負なところがあります。


ですから、会社も従業員の心の健康を願うのであれば、従業員の異動希望を単なるわがままと捉えず、むしろ真摯に向き合っていってほしいと私は思います。

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